国内総生産(GDP)
中国では10月19日に国家統計局が15年7-9月期の国内総生産(GDP)を発表、経済成長率は実質で前年同期比6.9%増と4-6月期の同7.0%増を0.1ポイント下回った(図表-1)。また、前期比(季節調整後)では1.8%増と4-6月期(同1.8%増)と同じ伸びに留まった。なお、景気が失速するのではとの懸念が高まった1-3月期には同1.3%増まで落ち込んでいた(図表-2)。
産業別の内訳を見ると、第1次産業では4-6月期の前年同期比3.7%増から同4.1%増へ0.4ポイント上昇、第2次産業では同6.0%増から同5.8%増へ0.2ポイント低下、第3次産業では同8.5%増から同8.6%増へ0.1ポイント上昇した。第1次産業と第3次産業は健闘したものの、第2次産業の不振が主因となって、7-9月期の成長率は4-6月期よりも低下する結果となった(図表-3)。
一方、実質成長率よりも景気実感に近いとされる名目成長率を当研究所で計算したところでは、7-9月期は前年同期比6.2%増と4-6月期の同7.1%増を0.9ポイント下回った。特に、第2次産業の名目成長率は4-6月期の同1.6%増から同0.2%増へ1.4ポイントも低下しており、工業部門だけで見るとマイナス成長に落ち込んでいる(図表-4)。