(写真=Thinkstock/Getty Images)
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EYジャパンの新日本有限責任監査法人が選定するEYアントレプレナー・オブ・ザ・イヤーが今年も発表され、「遠藤商事」が特別賞に選定された。過去には、経験の浅いスタッフにも古書の買い取りを可能にするシステムを考案したことからブックオフ <3313> の坂本孝社長が大賞に輝いた経緯もある。

そもそも遠藤商事は、ランチではピザを500円というワンコイン、格安の価格で提供するイタリアンレストラン「ナポリ」などを展開している。2011年に設立したばかりであるにもかかわらず、国内では約70店舗、海外ではアジア3か国4店舗を展開しており、成長の著しい企業だということはできるだろう。

そうそうたる面子が受賞してきたこの賞に、特徴的とは言い難い名前を持つこの会社の何が注目に値するのだろうか。そうした疑問に今回は答える。

イタリア・セリエA「ユベントス」若手チーム出身という異色の経歴

特別賞を受賞した遠藤商事の創業者の経歴は、社名からは想像できないほど破天荒だ。創業者である遠藤優介氏はなんと、木箱の中に捨てられていたのを寺の住職に拾われた所から人生が始まったという。

さらに、同氏は13歳で、イタリア・セリエAの名門サッカークラブであるユベントスのユースチーム「ユベントス・プリマヴェーラ」とプロ契約をし、渡伊した異色の経歴をもつ。

そして、ユベントスとの契約満了後に、イタリアでピザ職人としての修業を積んだ。その経験を生かして、同氏は「ナポリピザを日本人の主食とする」ことを目指して、日本で起業をした。その際に立ち上げたのが、この「遠藤商事」だ。

早く、安い「ナポリ」独自のピザ提供システム

遠藤商事が手掛けるイタリアン「ナポリ」や「ナポリス」の特徴はなんといっても安さと早さだ。ランチであれば、ピザは全て500円という安さで、提供時間も生地を伸ばすノシ作業から焼き上がりまで最短で90秒と驚異的な早さだ。ピザデリバリーなどでよく食べているアメリカンピザは焼き上がりに10分程度かかっており、「ナポリ」や「ナポリス」での早さとは比べるべくもない。

「ナポリ」「ナポリス」の安さと早さを実現させているのが、遠藤氏自身が開発した「EP-SYSTEM」だ。同システムは、窯の中のどの場所でも生地が均等に焼けるような工夫がされている遠藤商事オリジナルのピザ窯「ENDOME」と、生地を3秒で自動的に伸ばす「P-SLIDE」、「オリジナル生地」の3つを組み合わせもの。このシステムを導入することによって、安定した質のピザを調理経験の乏しい素人でも簡単に作れるようになったのである。

そのため、人件費を削減することができ、また最短で90秒と素早くピザを客に提供できることから回転率を上げることも出来ていることから少ない設備で多くの客をさばくことができるようになったこともコスト削減につながり、安価でのピザの提供につながっている。

「脱職人」でFC展開を実現

また、アルバイトでも安定した質のピザを提供することができるようになったことで、フランチャイズ展開もすることができるようになった。通常、ピザを作る際、生地を伸ばしたり、窯でピザ生地を焼いたりする工程で職人的な技量が必要となる。

そのため、もし、店舗数を拡大しようとすれば、すでに職人技を身に着けているピザ職人をどこかからか連れてくるか、社員などに教育を施してある程度のピザが作れるようにする必要がある。

しかし、前者のピザ職人を連れてくる場合は人件費がかかり、後者の社員に教育を施す場合には店舗を拡大するまでに時間がかかってしまう。それに対して、アルバイトでも安定した質のピザができてしまう「EP-SYSTEM」であれば、そのシステムさえ導入できてしまえばすぐに店舗を拡大することができる。

このように、かつてはピザ職人として修業した経験をもつ遠藤氏がそのピザの生産工程を機械化し、ピザを誰でも安価に早く提供できるように脱職人化したことが遠藤商事の成長を支えている。(ZUU online 編集部)

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