RBSのクレジット・チーフ・オフィサー、アンドリュー・ロバーツ氏は1月8日、55ページに及ぶ顧客宛のレポートの中で、「現在の株式市場は2008年のリーマンショックをほうふつとさせる」と前置きし、「今回のショックは中国から生じる」と警告した。

原油安や人民元の切り下げなどが引き金となって生じた中国経済の失速が、「雪だるま式に加速し、大きな国際影響を投げかけている」ほか、米利上げと欧州やアジアにおける追加緩和政策で生じる“格差“などを理由に挙げ、「これまで緩和政策によって利益を生み出していた新興市場、エクイティ、クレジット(信用)が、今年は高リスクとなる」として、リスク要因を含む全ての資産を売却し、被害を最小限にとどめるように呼びかけている。

原油価格はドン底の10ドルまで下落

こうした悲観的な警告を鳴らしているのはRBSだけではない。JPモルガン・チェースのエクイティ・ストラテジストも「高リスク、高リターンの時世ではない」と、リスクの高い株の売却を7年ぶりに勧めているほか、ジョージ・ソロス氏やビル・グロス氏といった国際的著名投資家達も同様の見解を示している。

近い将来原油安に歯止めがかかる見込みは薄く、「原油価格が(1バレル)20ドルまで下がる」というモルガン・スタンレーの予測に続き、英スタンダード・チャータード銀行は「10ドルまで落ちる」と見ている。

世界経済をドン底に落としかねない波乱要因に満ちた幕開けとなった2016年。果たして「すべてを売却して守りに入る」ことで、難を逃れることができるのだろうか。(ZUU online 編集部)

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