2015年の経済概況(GDP)

1月19日に中国国家統計局が公表した2015年の経済成長率は実質で前年比6.9%増となり、2014年の同7.3%増に比べて0.4ポイント低下した。ここ数年の緩やかな成長率鈍化傾向が続いていることを示す結果となった(図表-1)。

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供給面から見ると、第2次産業の不振が目立ち、2014年の前年比7.3%増から2015年は同6.0%増へと1.3ポイント低下した。一方、第3次産業は2014年の前年比7.8%増から同8.3%増へと0.5ポイント上昇した(図表-2)。

需要面から見ると、総資本形成(≒投資)の不振が目立ち、寄与度で見ると2014年の3.4ポイントから2015年は2.5ポイントへとプラス寄与を大きく減らした。一方、最終消費は2014年の3.7ポイントから4.6ポイントへとプラス寄与を大きく増やすこととなった(図表-3)。

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また、同時に公表された2015年の国内総生産(GDP)は67兆6708億元となり、2014年の63兆5910億元に比べて4兆798億元増えて、前年比6.4%増となった。これを前述の実質成長率と比べると0.5ポイント下回っており"名実逆転"となった。

産業別の内訳を見ると、図表-4に示したように"名実逆転"の主因は第2次産業で、第1次産業・第3次産業は逆転していない。特に工業部門の逆転幅が5.5ポイントと大幅となり、名目成長率は前年比0.4%増と極めて低いレベルに留まった。

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