米ゴールドマン・サックスが2月4日に公表したリサーチノートの中で、英国のEU離脱(ブリクジット)がポンドを大幅に引き下げる危険性を指摘。「海外投資家の不安を煽り、英国への資本流入の妨げとなる恐れがある」との懸念を示している。英ガーディアン紙など複数のメディアが報道した。
ゴールドマン「ブリクジットはポンドを下落させユーロを引き上げる」
英国の未来を大きく左右する「EU離脱・残留国民投票」の実施が、早ければ今年夏に予想されている中、残留を支持するキャメロン首相の健闘ぶりが報じられている。
ドナルド・フランチシェク・トゥスク欧州理事会議長は2月2日、「非常ブレーキ(EU圏からの新たな移民への社会保障給付の制限)」や「移民による児童手当の海外送金減額」「加盟国議会で55%以上の賛成を得ることで、EU法を改革あるいは廃案させる権利」などの譲渡案を発表したが、現在英国が抱える深刻な問題の解決策というよりは一時的な回避策という感が強く、離脱支持派の反発心を決定的にゆさぶるレベルには到達していない。
緊迫した空気をやぶるかのごとく、ジョージ・コール氏など3人のゴールドマン・アナリストは、ポンドが現在の$1.46(約170円)から$1.15-1.20(約134~140円)まで下がり、ユーロを76p(約99円)から90-95p(約118~124円)まで引き上げる可能性に焦点を当て、ブリクジットが引き起こす「弊害」についての見解を簡易レポートの中で明らかにした。
ブリクジット問題が深刻さを増すにつれ、既に昨年11月からポンドは急激に落ち込んでおり、半年間で対ドル6%減、対ユーロ8%減と下降線をたどっている。
「残留キャンペーン」に何十万ポンドという資金を投じたことが報じられているゴールドマン同様、EU加盟国として多大なる恩恵を受けている多くの大企業は、何としてでもブリクジットを阻止する構えだ。(ZUU online 編集部)
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