8日の東京市場は、ドル円相場が116円96銭で始まった。日本株の上昇に連れる形で117円台半ばまで上昇したものの、海外市場に入ると、欧州大手銀行の経営不安などからリスク回避の流れとなり、一時、115円16銭まで下落した。ただ、その後は多少持ち直し、115円台後半でニューヨーククローズとなった。

9日の東京市場は、麻生財務相の円高けん制発言などがあったものの、円高の流れは止まらず、一時、114円20銭を付けた。海外市場に入ると、日銀が為替トレーダーに対ドルでの現在の円レートの提示を求める「レートチェック」が入ったとのうわさから、115円台前半まで値を戻した。これは、実際の円売り介入の一歩手前の段階で、一方的な取引を避けるよう一種の警告を発する意味合いを持つ。

10日の東京市場は、レートチェックのうわさから回復した115円台を維持することができず、114円台前半まで下落するなど、上値の重い展開が続いた。海外市場でも、イエレンFRB議長の議会証言の内容がハト派だったことで、113円09銭まで急落し、そのまま113円台前半でニューヨーククローズとなった。

11日の東京市場は、日本祝日のため、休場で取引参加者は限定的だったものの、投機筋による円買いは継続し、112円台前半まで下落した。海外市場でも、その流れは続き、原油先物価格や米10年債利回りの低下から、一時、110円98銭まで下落した。ただ、日銀による介入観測もあったことで、112円台まで値を戻した。

12日の東京市場は、安倍首相と黒田日銀総裁が会談したとの報道から、一時113円台を付けたものの、その後111円台後半まで下落するなどボラタイルな相場となった。海外市場に入ると、米国株の上昇や原油先物価格の上昇から、リスク回避の流れが弱まり、112円台後半で推移した。

今週の為替展望

今週注目される経済指標は、15日の10-12月期GDP、16日の米2月NY連銀製造業景気指数、17日の米1月生産者物価、米1月鉱工業生産・設備稼働率、18日の中国1月消費者物価、中国1月生産者物価、米1月CB景気先行総合指数、19日の米1月消費者物価指数などである。また、15日にドラギECB総裁が欧州議会の経済金融員会で証言を行い、16日には日銀当座預金のマイナス金利適用が開始される。

今週の外国為替市場はリスク回避的な流れが継続する可能性が高いだろう。テクニカル面では、週足ベースのボリンジャーバンドはローソク足の実体が、-2σを大きく突き抜けており、週足14週のRSIは、30%程度となっている。日足ベースでみても、ボリンジャーバンドはローソク足が-2σを下回って推移しており、RSIも30%を下回る水準と、週足、日足ともに下げ過ぎと言える水準となっている。ただ、収束していたボリンジャーバンドが広がり始めているところであるため参考にはしづらい。

以上を考慮すれば、テクニカル面での買いシグナルはあるものの、米国や中国の重要経済指標の改善などの結果がなければ、円高トレンドが継続すると考えるのが妥当だろう。(ZUU online 編集部)

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