中国人民銀行の周小川総裁が人民元の価値低下を狙った国際市場の動きに大反発。中国の金融雑誌『Caixin weekly』のインタビューで、海外のヘッジファンドを始めとする投資家が人民元の売り持ちに殺到している現状を批判し、実際に自国の通貨価値が著しい下落を見せている事実についは、「外貨準備の上がり下がりはよくあることで、経済の基盤さえしっかりしていれば何も心配することはない」と終始強気な構えを崩さなかった。

昨年の経済成長率が6年ぶりにインドを下回った中国

周総裁は「他国の山師たちに上げ相場を支配させはしない」と憤慨をあらわにしているが、中国を拠点とする企業の多くは負債をドル建てで抱えているため、弱化の一路をたどる人民元への信頼感が色味を失い、投資家の不安感だけがますます加速している。

国際金融協会(IIF)の調べでは昨年だけでも推定約82兆円相当の資本が海外へ引き上げられていることから、「人民元空売り」や「資本移転」を狙う動きが国際市場で見られるのは決して不思議ではないだろう。

経済成長率は1990年以来最低水準に達し、昨年は6.9%と急成長中のインド(7.5%)に今世紀初めて追い抜かされたことも国際通貨基金(IMF)の報告から明らかになっている。

これほど緊迫した状況でも資本流出と資本逃避を別モノと見なす周小川総裁は、「資本規制を引き締めるつもりはない」と、ドル売り人民元買いを対応策に、かたくななまでに「逆風に屈することのない人民元の底強さ」をアピールしている。(ZUU online 編集部)

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