外食産業

平成26年5月2日、ワタミ(証券コード7522)が業績の下方修正を発表しました。売上高予想は165,000百万円から163,155百万円へ、営業利益は5,000百万円から2,946百万円へ、経常利益は4,000百万円から2,133百万円へ、当期純利益は1,200百万円から▲4,912百万円となります。ワタミの税引き後当期純利益の赤字は1996年の上場以来で初めてとなります。国内外食事業の客足が回復しなかったこと、宅配事業が伸び悩んだこと、介護事業の入居率が84.9%に留まったこと等が影響し、売上高、営業利益、経常利益が下方修正された模様です。

また、今回、閉店をする予定の店舗など固定資産の減損損失で21.8億円、繰延税金資産の取り崩しで法人税調整額22.4億円を計上しています。ワタミは3月に人手不足を理由として60店を2014年中に閉店することを決めています。居酒屋チェーンはワタミに限らず、苦戦しており、「甘太郎」等をチェーン展開するコロワイドも平成26年4月28日に業績の下方修正(当期純利益2,380百万円→1,420百万円)を発表しています。

居酒屋チェーンなど、外食産業を取り巻く競争は激しさを増しています。一時期は価格競争が起こり、低価格メニューが人気を博した時期もありましたが、最近では低価格メニューに新鮮味がなくなってきています。また、そこに追い打ちをかけるかのように、アルバイトやパートの時給が上がってきています。これらが居酒屋チェーンなどの収益を圧迫していると言ってよいでしょう。

外食産業が総じて苦戦しているのかというと、そうでもありません。「ロイヤルホスト」等を展開するロイヤルホールディングス(証券コード8179)の業績は回復してきていますし、「塚田農場」等を展開しているエーピーカンパニー(証券コード3175)も堅調を維持しています。これらの企業を分析してみると、食材へのこだわり、特色のあるメニュー、従業員やアルバイトに対する待遇がポイントとなっているように見えます。大手居酒屋チェーンが復活できるかどうかはこの辺りにかかっているのではないでしょうか。

(ZUU online)


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