ネイティブの英語は「速い」のではなく「短い」

弱形を持つのは、前置詞・代名詞・冠詞・接続詞・助動詞などの機能語のみで、名詞や動詞などにはありません。of (「ァヴ」/「ア」/「ヴ」)やfor(「ファ」)、you(「ユ」/「ヤ」) やhim(「イム」)、and (「ァン」/「ンド」/「ン」)といった、どれもかなり高頻度に使われる単語ばかりです。これが聴き取れなければ、ネイティブの会話が聴き取れないのも当然。

ちなみによく、「ネイティブの英語は速くて聴き取れない」と言う人がいますが、実際には弱形になったことで、「短く」なっているのです。

それに対し、「前後の単語が聴き取れればだいたいの意味はわかるから、前置詞や助動詞は聴き飛ばせばいい」と言う人がいます。ただ、実際には聴き取れない音があると、その瞬間にパニックになってしまうというのが、学習者の心理というもの。

弱形を持つ単語は、中学1年生で習うような簡単なものがほとんどですから、覚えること自体はかなりラク。この中に知らない単語は1つもないはずです。弱形をマスターするだけで、リスニング力は飛躍的に向上するはずです。

主な弱形
from「フロム」 →「フム」
at「アット」 →「ァト」
with「ウイズ」 →「ワズ」
in「イン」 →「ァン」
on「オン」 →「ァン」
your「ユア」 →「ヤー」
she「シー」 →「シ」
her「ハー」 →「ァー」
they「ゼイ」 →「ゼ」
their「ゼア」 →「ザ」
our「アウア」 →「アー」
could「クッド」 →「カド」
should「シュッド」 →「シャド」
will「ウイル」 →「ァル」
would「ウッド」 →「ァド」
have「ハヴ」 →「ァヴ」/「ヴ」
do「ドゥー」 →「ドゥ」/「ダ」

苦手な「あの音」を攻略するには?

英語特有の音(複雑な母音や日本語にない子音など)に苦手意識を持つ人も多いようですが、実際にはそれこそ、前後の文脈でなんとかなることが多いものです。

たとえば、「r」と「l」の区別です。日本の英語教師がよく使う「riceとliceを間違えると、ご飯の代わりにシラミが出てくる」というジョークがありますが、実際のところ、レストランで「ライス」と言われて、シラミと間違えるわけがありません。

それでも、こうした区別はもちろん重要ですので、日本人が苦手な音の攻略法を以下に挙げておきました。これも、学校ではほとんど習ってこなかったことだと思います。

まず「弱形」をマスターしたうえで、これらの知識でさらにリスニング力を強化していってください。