「ロンドン、ニューヨーク、シンガポールだけがFinTech(フィンテック)ではない」とばかりに、急速に注目度が高まっているのがイスラエルだ。
昨年イスラエルに投資された総額の12%はFinTech関連と報告されており、今後さらに投資が拡大すると見込まれている。
国際金融機関だけではなく、ウォーレン・バフェット氏やビル・ゲイツ氏といった著名投資家からも高い評価を受けている、イスラエルの高度なFinTechとその背景を探ってみよう。
1.技術の取り入れに積極的
ゲイツ氏やカルロス・スリム・エルー氏が大絶賛するイスラエルのFinTechは、豊富な知識と経験に基づき、時代の流れや消費者のニーズに合わせてアップデートされている点が最大の魅力だ。
イスラエルの企業もFinTech技術を消費者市場での成長継続には欠かせないツールと見なしており、スタートアップとの提携を通して新しい技術を積極的に取り入れている。
2.トップFinTech企業がスタートアップを支援
イスラエルにはFinTech分野で突出したトップ企業が肩を並べている。金融犯罪防止会社のNICE Actimize、ファイナンシャル・テクノロジー・ソリューションを提供しているFundTech、サイバー犯罪防止会社のTrusteeなど、FinTech業界で名の知られたリーダー企業が、スタートアップや既存企業のバックアップに全力を注いでいる。
3.ファイナンスの中心都市で得た知識を活用
ウォールストリートやロンドンを含む「ファイナンスの中心都市」で経験を積んだイスラエル人が多く、他国で培ったテクノロジーとビジネスの知識を自国で最大限に活かしている。
4.国際金融機関の開発センターが続々オープン
大手国際金融機関はイスラエルFinTechの恩恵をこうむる目的で、独自の開発組織をイスラエルに構成している。
英バークレー銀行や米シティバンクが大規模な開発センターをイスラエルに設立しているほか、米オンライン決済会社、Paypalや米セキュリティー・ソフト開発会社、RSAセキュリティなどによるR&D(研究開発)センターも順調に成長中だ。VISAも近日中のセンター開設を予定している。
5.国際機関による投資
国外企業によるイスラエルFinTech企業への投資も活気づいている。中国の4大保険会社の1つ、中国平安保険はイスラエルの大手ベンチャー・キャピタル、Camel Venturesなど複数の企業に投資を行っているほか、スペイン大手サンタンデール銀行もベンチャー投資部門を通してモバイル決済ソリューション会社、MyCheckを支援中だ。
6.イスラエルの金融機関は常にイノベーションに積極的
銀行やクレジットカード会社を含むイスラエルの金融機関は新しい技術を試験的に取り入れ、発展の可能性への投資を惜しむことがない。
ハポアリム銀行やレウミ銀行は、マイクロソフトによるベンチャー支援プログラムなどにも参加するほど、スタートアップの育成に熱心だ。( FinTech online編集部 )
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