日本はもはや実質的なヘリコプターマネー状態 ?

そんな状況の中で現在、日本銀行が次期追加緩和策の方法として、ヘリコプターマネーを導入するのではないかという期待と懸念が交錯している。実際問題、マイナス金利を導入した日本銀行では、利息なしの国債を償還期限なしで発行しているのと変わりなく、実質的にヘリコプターマネー導入状態でないのかともいわれている。

とはいえ、日本銀行のヘリコプターマネーには大きな問題があるとされている。日本では、法律で明確に「財政ファイナンス」が禁止されている。財政法第5条により、国債を市中で消化することが義務付けられており (国債の「市中消化の原則」) 、実行するためには超法規的措置を取らざるを得ない。この部分を日本銀行がどうするのかに注目が集まっている。

この点に関して、黒田日銀総裁はヘリコプターマネーについて「考えたこともない」と発言している。ちなみに、ドラギECB (欧州中央銀行) 総裁は4月21日の記者会見で「検討したことはないが、興味深いコンセプトだ」という趣旨の発言をして話題になった。

英国エコノミスト誌が提唱した方法に、日銀が保有する300兆円の国債を債権放棄して、その資金を国民にばらまくというものある。日銀法には想定されていない方法だが、財政ファイナンスをするぐらいなら、こちらの方がまだましという考え方もある。

いずれにしても、コントロール可能なヘリコプターマネーがあるのか。打つ手がなくなりつつある日本の金融政策は、まさに大きな岐路に立ち始めている。今後の日銀の金融政策に注目だ。(提供: 大和ネクスト銀行

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