資産運用において「償還金」や「満期金」を受け取ったあと、そのお金をそのまま金融機関の口座に眠らせている人は少なくない。それは非常にもったいない「機会損失」だ。その眠らせていた資金を運用すれば、堅実なリターンを得られることも期待できるからだ。
本記事では、償還金などを受け取ったあとの運用プランを考えていない人に向けて、運用方法を考える際のポイントや初心者でも取り組みやすい運用方法を紹介していく。
償還や満期日は次の運用を考えるタイミング
資産運用は基本的に一度始めたあとは長期的に続けるべきものだ。多くの場合、期間が長ければ長いほど、リターンも大きくなりやすいからだ。資産運用中に得た金利や配当を再投資すれば、金利がさらに金利を、配当がさらに配当を生み出す好循環が生まれ、時間が経過するほどその恩恵は大きくなる。
そのため、資産運用の途中で保有している金融商品の償還や満期のタイミングを迎えたとしても、それで資産運用を終了させるのは非常にナンセンスと言える。
例えば、償還や満期によって1,000万円が口座に入金されたとしよう。仮にその資金を眠らさずに資産運用することによって年間で3%のリターンが出て、そのリターンも再投資した場合、資産は以下のように増えていく。
経過年数 | 資産額 |
---|---|
1年後 | 10,300,000円 |
2年後 | 10,609,000円 |
3年後 | 10,927,270円 |
4年後 | 11,255,088円 |
5年後 | 11,592,741円 |
6年後 | 11,940,523円 |
7年後 | 12,298,739円 |
8年後 | 12,667,701円 |
9年後 | 13,047,732円 |
10年後 | 13,439,164円 |
10年後には約1,343万円まで資産が膨らんでおり、資産運用によって約344万円分のリターンを得たことになる。こうした恩恵を受けたいのであれば、償還や満期を迎えるタイミングは、イコール、次の運用方法を改めて考えるべきタイミングと言える。
次の運用を考える時のポイント
続いて、償還や満期を迎えるタイミングで次の運用方法を考えるときのポイントを説明していく。
お金の種類を改めて整理
自分や家族のライフプランを考えたとき、お金はその用途によっていくつかの種類に分類できる。「生活資金」「近い将来使うお金」「当面使う予定がないお金」といった具合だ。
このうち、償還や満期で受け取ったお金が「当面使う予定がないお金」の場合は、放置するにしても一定のリターンが得られる資産運用の方法を選ぶのが、手間がかからず得策だ。
初心者でも運用しやすい商品を選ぶ
特に、過去に受け取った償還金などを放置していた人の場合、同じく今後も放置を続けられるような初心者向けの商品が、投資についての知識を学ぶ手間などの負担が大きくなく、おすすめと言える。
手間いらずでリターンも狙える「外貨預金」
では、実際にはどのような資産運用の方法を選ぶべきなのだろうか。有力な選択肢の一つが「外貨預金」だ。
外貨預金では2種類の利益が狙える。「キャピタルゲイン」 (値上がり益) と「インカムゲイン」 (金利収入) だ。このうち、後者はただ保有するだけでリターンが得られる。以下では、このインカムゲインを中心に詳しく説明していこう。
外貨預金とは
外貨預金による資産運用では、円を特定の外貨 (米ドルや豪ドルなど) に替えて金融機関に預け、その外貨の預金金利に準じたリターンを得ていく。このように保有しているだけで得られるリターンは、前述の通り「インカムゲイン」と呼ばれる。不動産投資における家賃収入のようなものだ。
外貨預金のメリット
外貨の金利が日本円の金利より高ければ、日本円のままにしておいて口座に眠らせておくよりも資産は増える。日本円は世界の中で際立って低金利であるため、日本人が外貨預金を始めるメリットは大きい。
外貨預金で知っておきたい通貨の特徴
外貨預金を始める際には、日本円をどの外貨に替えるか決めなければならない。そのため、各通貨の特徴を知っておくことは非常に重要だ。
米ドル
米ドルは、外為市場において最も取引額が大きな外貨だ。国際決済銀行 (BIS) が公表したデータによれば、2022年4月の1日当たりの取引額は6兆6,410億ドルで、日本円の5倍以上の規模となっている。取引規模の大きさから情報も豊富で、通貨としての安定性も高い。
豪ドル
豪ドルは他の先進諸国よりも金利が高めの資源国通貨として知られる。世界情勢が安定しているときには豪ドル自体の価値も高くなりやすく、円安豪ドル高によるキャピタルゲイン (値上がり益) も見込める。
トルコリラ
トルコリラは世界の中でも屈指の高金利通貨だ。大きなインカムゲインを狙いたい場合にはうってつけと言える。また、通貨としての価値の変動幅が大きめで、価値下落によるキャピタルロス (値下がり損) のリスクもある一方、大きなキャピタルゲインが生じることもある。
行為としては同じ「預金」でも…
同じ口座に放置するにしても、日本円のまま放置しておくか、それとも金利が高い外貨に替えて放置しておくかで、リターンは変わる。行為としては同じ「預金」でも、少しの手間で資産の膨らみ方が大きく変わってくることを、しっかりと認識しておこう。
(提供:大和ネクスト銀行)
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