一定年齢を超えて同じ職場で働き続けると、給与が減額される可能性がある。本記事では、人事院が公表している「職種別民間給与実態調査」のデータから、定年年齢を60歳から引き上げた事業所において60歳で減額となっている人 (課長級と非管理職) の割合を紹介していく。また、自助努力で給与減をカバーする方法も提案する。
60歳到達で給与はどうなる ?
人事院が公表しているデータでは、定年年齢を60歳から引き上げた事業所の課長級と非管理職のそれぞれにおいて60歳で減額となっている人の割合が紹介されている。2022年と2023年の2年分のデータは、以下の通りだ。
【2022年のデータ (一定年齢到達を理由とした給与減額の状況) 】
項目 | 課長級 | 非管理職 |
---|---|---|
給与減額あり | 46.7% | 42.6% |
(うち60歳で減額) | (28.8%) | (26.2%) |
給与減額なし | 53.3% | 57.4% |
【2023年のデータ (一定年齢到達を理由とした給与減額の状況) 】
項目 | 課長級 | 非管理職 |
---|---|---|
給与減額あり | 43.8% | 39.8% |
(うち60歳で減額) | (29.1%) | (25.7%) |
給与減額なし | 56.2% | 60.2% |
課長級・非管理職で多少のブレはあるものの、一定年齢到達による減額の対象となっている人は決して少ない割合ではないことが分かる。
収入を減らさないためにできる自助努力は ?
一定年齢到達で給与が減額される可能性があるならば、早めに対策を講じて将来に備えておきたい。そのために自分でできる努力やアプローチを、ここでは3つの切り口で紹介していく。
市場に必要とされる人材になる
企業や市場において存在価値を感じてもらい、その時代もしくは将来を見据えて必要とされる人材になることができれば、給与は下がりにくい。むしろ年齢が上がっても給与が上がるケースもあるだろう。
そのためには、どのような人材に対するニーズが高いのかを捉え、その人材になるためのスキルアップを図るのが賢明だ。例えば、求人サイトで定期的に発表される求人動向調査のデータなどは、人材ニーズを捉えるうえでのヒントになる。
個人事業主として別口から収入を得る
副業で個人事業主としても仕事をすれば、給与とは別に案件ベースで収入を得られる。本業で給与が減っても報酬が高い案件をこなせれば、トータルで大きな年収アップを実現できるケースもあるだろう。
人手不足の業種や給与水準が高い業種だと一定程度の報酬を期待でき、やりがいを持って活躍できる。
資産運用を始める
収入減を見据えて「資産運用でカバーする」というアプローチもある。近年は、利益の非課税枠が拡充された新NISA (少額投資非課税制度) も始まり、AI (人工知能) などを活用した投資一任サービスとしてロボアドバイザーの仕組みも充実化しつつある。
つまり、誰でも資産運用を始めやすい環境が整ってきているというわけだ。
初心者におすすめの資産運用法
資産運用には、さまざまな手法がある。金融商品によって難易度が大きく異なるため、投資初心者は最初の段階で悩んでしまうケースも少なくない。そこで最後に、初心者におすすめの資産運用法を3つ紹介する。
新NISA
まずは、新NISAの仕組みを使ってその枠内で投資を始めてみよう。新NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2種類があり、併用が可能だ。しかし初心者の場合は、幅広い株式銘柄に分散投資しているインデックス型の投資信託をつみたて投資枠で購入し続けることをおすすめしたい。
この方法だと株式銘柄も投資タイミングも分散できるため、資産価値の下落リスクをある程度抑えることが可能だ。積立の設定をすれば、あとは自動で買付し続けてくれることも魅力である。ただしこの方法の場合、短期間で一気に資産価値が上昇することはあまり期待できない。
投資信託
新NISAの枠組みを使わなくても株式投資や投資信託による資産運用が可能だ。個別株式を選んで保有することは、業績や将来性の分析を余儀なくされるため、初心者にはややハードルが高いだろう。そこで前述でも触れたインデックス型の投資信託など、幅広い銘柄に分散投資する投資信託を選びたい。こうした投資信託は、投資家にとって便利な金融商品だ。
あえてデメリットを挙げるとすれば「自分で個別株の選別をしないことから個別企業に関する知見を得る機会を得にくくなりマーケット情報にややうとくなる」という点だ。
外貨預金
外貨預金も初心者におすすめの資産運用法の一つだ。為替差損が発生する可能性もあるが、保有を続けるだけで円預金より高い金利を安定的に得られることが魅力である。
例えば大和ネクスト銀行では、対象通貨が異なる複数の定期預金をひとまとめにして預金する「バスケット定期預金」というサービスがある。「AI予測でえらぶ (Aコース) 」なら、「円と米ドル」「円と豪ドル」「円と米ドルと豪ドル」といった具合に、最適な組み合わせをAIが予測してくれる。
資産運用は取り組みやすく、時間もかからない
将来の給与減を避けることは難しいかもしれないが「市場に必要とされる人材になる」「個人事業主として別口から収入を得る」などの方法で給与減をカバーすることは可能だ。
しかし、こうした方法をとるよりも資産運用のほうが取り組みやすく時間もかからないことも知っておきたい。本記事を読んだことをきっかけに、まずは初心者向きの資産運用法からチャレンジしてみてはいかがだろうか。
(提供:大和ネクスト銀行)
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