総務省の要請を受け、通信大手3社が携帯電話の2年縛り契約を変える。NTTドコモ <9437> は夏から導入するのだが、KDDI <9433> とソフトバンクグループ <9984> は6月からスタートさせる。実は使い方によって料金が高くなる事もあるので要注意だ。
NTTドコモが打ち出したのは解約期間延長
同社は新プランに先立ち、現行制度の解約期間を2カ月に延長をすでに実施している。新プランを取り入れる方針を示しながらも、現時点ではその内容を明らかにしていない。これまで、通信大手3社の料金体系はほぼ似たり寄ったり
だったため、より差別化されたプランの発表を期待したいが、難しいようだ。
3月16日にソフトバンク、翌日にはKDDIが新料金プランを発表したのだが、2社のプラン概要は、ほぼ同じ内容となっており、変更点は2つだ。
1つ目は、契約して3年目以降には違約金がかからなくなる点だ。これまで2年ごとの契約月以外に解約した場合、9500円の違約金がかかっていた。番号ポータビリティを使って他社に乗り換えるユーザーにとっては、障害やトラブルの原因となることがあったが、そこが解消される。
2つ目は、3年目以降の違約金がかからなくなる代わりに、契約した時から月額300円高くなる点である。
お得なのは5カ月だけ
実際にいつのタイミングで解約すれば、新プランの良さを実感できるのだろうか。実は9500円の違約金を超える32カ月(2年8カ月)目までの5カ月はお得なのだが、それまで以外の期間は現行プランのほうがお得なのである。
契約から2年(24カ月)目までに解約すると、9500円の違約金が発生するのは今まで通りだ。そこに新プランでは月額300円×24カ月分の7200円が上乗せとなるので、現行のプランのほうがお得だ。
現行の契約月である25〜26カ月目は、解約期間にあたるため、違約金はかからない。新プランも違約金はかからないが、月額値上がった300円の料金が発生するので、現行のほうがお得となる。
32カ月目以降については、上で述べたように現行プランの違約金額を超えてしまうため、現行プランのほうがお得となる。
報道によれば、見直しを要請していた総務省の担当者は「利用者の選択肢を広げる」と歓迎している。一方、利用者にしてみれば、実際新プランの良さを実感できるのは限られた人なので、手放しでは喜べない。多くの利用者にとって、今回の新プランは考慮する必要がなさそうだ。 (ZUU online編集部)
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