「大きく下げた好業績期待銘柄」の投資ポイント

表2は昨年末水準と比較し、現在の株価水準が高い銘柄を、時価総額500億円以上の銘柄について調べ、株価下落率の大きい順に並べたものです。

マイナス金利導入で悪影響が懸念される地銀、円高デメリットやスマホ需要への不透明感が逆風の電機や機械などの下げが大きくなっています。仮に株価が全般的に反発局面に入った場合、リターン・リバーサルの観点からは、これらの銘柄の反発力が大きくなりそうです。

冒頭の表1「好業績予想にもかかわらず、株価が大幅に下げている銘柄」では上位2銘柄が12月決算です。「今期」は2016/12期であり、「来期」は2017/12期ですので、「来期」で評価するのは少々早い可能性はあります。ちなみに、上位2社ともに今期の営業利益は微増益予想です。

もっとも、株価は今期の微増益予想をいったん織り込んでいるとみられ、その分株価パフォーマンスも冴えないのかもしれません。言い換えれば、株価が下げた理由がある程度明確に想定できる分、投資しやすいと言えます。

デクセリアルズ <4980> は足元、スマホ市場の低迷や円高が逆風で、第3四半期の収益が計画比未達だったことが嫌気されています。ただし、高シェア製品が多いことや、車載向けにも注力しているため、中長期的な成長は維持できそうです。

武蔵精密 <7220> はホンダ向けが8割の自動車部品で、海外展開もしているため円高が逆風です。しかし、PBRはすでに0.9倍を割り込んでいるので、見直される場面もありそうです。

ニチアス <5393> は石油・石化プラント、自動車部品に展開し、やはり円高が逆風になりやすいとみられます。しかし、減損計上を発表済みで、リスクは低下しています。

イオンフィナンシャルサービス <8570> は、マイナス金利による利ザヤの縮小が懸念されました。しかし住宅ローン等の拡大が期待でき、クイック集計のコンセンサスでも来期純利益が10%以上伸びるとみられています。

表2:昨年末と比較し株価下落率が大きい銘柄銘柄

※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

鈴木英之
SBI証券 投資調査部

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