今回は日本のFinTechスタートアップの中でも、「経営支援・業務支援」に分類される18の企業を紹介する。
中小企業と専門家をマッチング ココペリインキュベート
中小企業と専門家のマッチングを図るクラウドシステム「SHARES」を運営する。利用者は顧問料を負担することなしに、全国の専門家に必要な時だけスポットで依頼ができる。
専門家には、弁護士、弁理士、公認会計士、税理士、司法書士、社会保険労務士、行政書士、中小企業診断士らが揃っており、契約書の作成や商標登録、債権回収、登記変更など、幅広い専門相談ができる。
また利用者は、5000社の財務データなどをベースにする「人工知能による経営分析」の結果として、様々な経営指標に基づいた経営課題の発見とその解決方向などを「提案イベント」として自動受信することもできるという。
クラウド会計ソフトの代名詞的存在 Freee
コア製品は、中小企業向けクラウド会計ソフト「freee(フリー)」だ。2015年5月に国内事業所勤務者1万9702人を対象に行ったWebアンケート調査によると、freeeの事業者シェアは37.5%で、第2位の「弥生」を13.2%上回る第1位だった。
このソフトの最大の特徴は「簡単に使える」こと。銀行取引やクレジットカード利用のWeb明細から直接帳簿が作成できるので、経理にかける時間が大幅に短縮される。
お金に関する情報サイトも運営 マネーフォワード
SBIホールディングス <8473> や三井物産 <8031> を始め、何社ものベンチャーキャピタル、金融機関、商社などが出資する同社は、個人企業や家庭を主たるユーザーとする経理・家計関連のクラウドサービスや、お金に関する情報Webサイト「マネトク」の運営などを行っている。
特にクラウド型会計ソフトの「MFクラウド会計」は、法人向けプランで月額1800円から、個人向けなら初期費用0円の完全無料から利用できるなど、高いコストパフォーマンスから人気を集めている。
前出の調査によると、法人・個人事業者を合わせたクラウド型会計ソフトの事業者シェアでは、同社が第3位につけている。
クラウド型経営管理システムとして活用できる ヴェルク
同社はWebシステムやスマホ向けアプリの開発などを行ってきたが、クラウド型業務経営管理システム「bord」が注目を集めている。
このサービスの特徴は、単に見積書や請求書等の書類作成サービスに終わることなく、その周辺で必ず発生する業務の効率化までを考慮していること。発注管理、案件単位の損益管理、営業の見込み管理、経営分析など、クラウド型経営管理システムとして活用できる設計だ。
企業が作成する各種書類を簡単作成できる メイクリープス
企業のスタートアップ段階から投資することで知られる、米国のべンチャーキャピタル「500 Startups」が出資者として名を連ねている。
主力サービスの「MakeLeaps」は、国内2万社以上の個人事業主や法人のユーザーを持つ業務系クラウドツールで、請求書、見積書、発注書、納品書、請求書、領収書といった営業・経理業務に必要不可欠な書類を、オンライン上で一元管理・送付できる。シンプルで直感的なインターフェースが特色だ。
経費精算アプリなど提供 クラウドキャスト
スマホを中心としたアプリケーションを開発・提供する同社は、2009 年にはいち早くFinTech 領域のiPhoneアプリを提供、2013年に国内会計ソフトでシェアNO.1の弥生株式会社と業務資本提携している。
ビジネスパーソン向け経費精算アプリ「Staple」や法人向け経費精算アプリ「Staple Team」、会計取引入力アプリ「bizNote for 弥生オンライン」などを展開中。