物忘れ防止に効くトレーニングとは?

物忘れ防止にもこの"イメージング"は有効です。自分は記憶力が悪いと思っている方の中には、覚える力でなく「思い出すこと」が苦手な方が少なくありません。この思い出す力を鍛えるのにも、イメージングが利用できるのです。

たとえば、買い物で牛乳を買わなければならないときは、頭の中で実際に自分がスーパーで牛乳パックを手に取っている姿を思い浮かべる。振り込みにいく必要があるときには、銀行のATMを操作している自分の姿を思い浮かべるといった具合です。脳の前方付近に覚えたものを思い出しやすくする部位があるのですが、イメージを利用して何かを記憶するとこの部位が鍛えられ、活発になることが研究でわかっています。

このように脳にとって効率よく何かを記憶するためには、イメージを利用することがとても有効な手段であることがおわかりになったことと思います。記憶術にはこれ以外にも、イメージを利用して何かを覚える手法がいろいろあります。それらも脳の特性を利用して簡単に大量の情報を覚えるための技術なのです。

池田義博(いけだ・よしひろ)記憶力のグランドマスター
大学卒業後、大手通信機器メーカーにてエンジニアとして入社。その後学習塾を経営。 塾の教材のアイデアを探していた時に出会った記憶術に惹かれ学び始める。この時、記憶力を競う日本記憶力選手権の存在を知り出場を決意。約10ヶ月間の独学での練習の末、初出場した2013年2月の大会で優勝し記憶力日本一となる。その後、2014年、2015年と3連覇。海外の記憶力大会にも挑戦し、2013年12月ロンドンで開催された記憶力世界選手権において日本人初の「記憶力のグランドマスター」の称号を獲得。
今後の使命は技術としての記憶力を広く世の中に伝え様々な立場の人々の記憶力向上に貢献し、それにより豊かな生活を享受してもらうこと。それを形にするため一般社団法人日本記憶能力育成協会の設立に至る。著書に『記憶力日本一が教える“ライバルに勝つ"記憶術 仕事も勉強も面白いほど成果が出る!』(世界文化社刊)がある。
2013年~2015年 日本記憶力選手権優勝、記憶力日本一(3連覇)
2013年 WMSC(世界記憶競技協会)オーストラリアンオープン優勝
2013年 世界記憶力選手権にて日本人初「記憶力のグランドマスター」獲得
2015年 WMSC(世界記憶競技協会)東京オープン優勝(フォレスト出版)などがある(『 The 21 online 』2016年04月11日公開)

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