スウェーデンを代表する自動車メーカー、ボルボ・カーは5月6日、創設89年の歴史初となる社債の発行を発表した。5億7100万ドル(約618億3359万円)の調達を目標に、5月10日に皮切りとなるロードショーで詳細とともに投資家へのプロモーションが開始される予定だ。

社債の発行には財務の柔軟性を高め、資金調達減の多様化を図る意図があるという。

昨年は記録的新車販売台数を打ちだし、営業利益が一気に3.1倍増。今年第1四半期の営業利益率は7.5%と、絶好調のボルボ。米信用格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)からも「BBポジティブ」の評価を受けている「世界の高級自動車メーカー」の社債発行に、多くの投資家が興味を示すことが予想される。

日産、Apple、バンカメなども社債を発行

S&Pはボルボに関する分析レポートの中で『高い信頼性と国際的な販売力をもって、市場で優位に立つことが可能な企業」と評し、ボルボが利益性と製造品質の向上を目指して着手している「柔軟で効率的な製造プラットフォーム」の構成に期待している』とコメント。

昨年は過去最高の50万台(前年比8%増)を売上げ、売上高1640億スウェーデン・クローナ(SEK/約2兆1789億円/前年比19.2%増)を記録したボルボ。その快進撃は今年に入っても衰えを見せず、第1四半期の純利益は417億SEK(約5540億2048万円)、営業利益310億SEK(約4118億6175万円)と報告されている。

ボルボがこの勢いにのって事業拡大を狙っていることは明らかで、社債の発行も戦略の一部である。

「借用証券」である社債には、金融機関からの融資よりも柔軟で、「出資証券」の株式よりも投資家に安心感を与えやすいという利点がある。また短期間で株式価値を損ねることなく、幅広い層から資金を調達することが可能なため、事業規模を問わず様々な企業が発行している。

近年話題になった銘柄では2013年にAppleが170億ドル(約1兆8408億万円)相当の5年物社債を売り出したほか、バンク・オブ・アメリカ、モルガン・スタンレー、RBSといった国際大手金融機関から、ボーダフォンやTESCOといった企業が社債を発行している。

自動車メーカーでは先月、日産自動車から2年ぶりに総額900億円相当の3種類(5年物、7年物、10年物)の社債発行を発表したばかりだ。(ZUU online 編集部)

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