シェールオイル関連需要減も国内需要堅調で計画達成見込む

◆巴工業 <6309> ・東1

デカンター型遠心分離器で高シェアを誇る巴工業 <6309> が2月29日、2016年10月期第1四半期連結業績を発表した。原油価格の下落による、北米のシェールオイル関連機械の需要が低下。売り上げが大幅に減少した影響で各利益とも前年同期比で二桁の減益となった。

同社が北米に進出した当初は、得意とする石油化学、食品分野の機械を中心に展開していく計画だった。シェールオイル関連機械による業績の急伸は言わば計画外のプラス要素。今期の営業利益は1億900万円で一昨年の同期1億1900万円に比べほぼ横ばいとなっている。

今期からは本来の業績水準に立ち返ったというべきだ。今期は事業の足場固めに徹し、来期以降の業績伸長を狙う。なお経常利益は為替差益の減少もあり、1億1100万円となっているが、通期計画を達成できるペースだ。業績の推移を詳しく見ていこう。

機械製造販売事業は13億700万円(前年同期比32・9%減)。営業利益△2億7700万円(前年同期5600万円)となった。減収減益要因は先述の通りだ。海外は北米市場では石油化学、食品分野を中心に日系企業及び地場企業の開拓を進めた。

アジア地域では足元では中国向け装置・工事の販売が伸びた。今後の成長という観点から東南アジア・中東地域は重要視されており、化学工業、食品・医療、下水処理、炭化装置、バイオ燃料等様々な分野での受注に注力している。一方国内での展開は官需向け機械と民需向け部品・修理の販売が堅調に推移。特に大規模処理場の更新需要向けの製品が大きく伸長した。

化学工業製品販売事業は売上高76億400万円(同0・2%減)。営業利益3億8600万円(同67・6%増)となった。前期好調であったUV硬化性樹脂や塗料・インキ分野の競争激化や、ICトレイのPC在庫調整による需要減などが影響し、僅かに減収となった。

一方利益面については、工業材料分野のコンクリート強化剤等、国内建設・土木関連や、自動車関連等の機能材料分野といった収益性の高い分野で販売が伸長したことにより大きく増益となった。配当に関しては据え置いて、中間22・5円、期末22・5円の45円を計画。今後も安定した配当を続けていく構えだ。

巴工業

2016年10月期
第1四半期連結業績
売上高89億1200万円(前年同期比6・9%減)
営業利益 1億900万円(同62%減)
経常利益 1億1100万円(同76・8%減)
四半期純利益 2900万円(同92・4%減)

2016年10月期
通期連結業績予想
売上高 418億円(前期比6・2%増)
営業利益13億2000万円(同4・9%減)
経常利益13億3000万円(同21・9%減)
当期純利益 6億6000万円(同35・8%減)