セコニックホールディング,巴工業,明治機械
(写真=PIXTA)

進む事業構造の改革で来期以降の業績伸長に期待

◆セコニックホールディング <7758> ・東2

東証2部上場、写真撮影等で使用される露出計で世界シェアのセコニックホールディングス <7758> )が2月10日、2016年3月期第3四半期業績を発表。売上高、営業利益共にほぼ計画通りで推移し、通期計画を射程圏内に捉えた。安定した収益を維持しつつ、来期以降へ向けた事業構造の再編を進めている今が仕込み時と言えよう。

同社は連結子会社であるセコニック電子の福島事業所を基板実装事業から撤退させ、より収益性が高く、立地的にも需要の多い医療用精密機械関連事業の拡大に舵を切る。同事業は10月1日を効力発生日として北部通信工業に承継することとなっている。

また、3月24日には同社の基礎研究・新製品開発の役割を担っていたセコニック技研の業務内容を抜本的に見直し、ソフトウェア開発の新事業をTCSグループとのシナジーを生かしながら開始すると発表。事業構造改革は着実に進行している。足元の業績を見ていこう。

事務機器部門は、主な販売先である中国市場の消費需要減により、事務用プリンタの受注が減少したこと等により、売上高23億8000万円(前年同期比8・3%減少)、セグメント利益△2600万円(前年同期セグメント利益4800万円)となった。

光学電子情報機器部門は、新たなカラーメータや露出計の受注が増加したこと等により、売上高は24億900万円(同15・2%増)となったが、新製品にかかる開発コストの先行もあり、セグメント利益1億4300万円(同10・1%減)となった。また今下期に成長を牽引すると見られていた新型監視カメラOEMは収益化が来期にずれ込んでいる。

電装機材部門は、基板実装事業の受注が増加したこと等により、売上高19億8600万円(同8・5%増加)、セグメント利益9700万円(同85・1%増)となった。

不動産賃貸部門は、旧本社用地に建設した商業施設等の賃貸により、売上高は1億5700万円(同0・7%減)、セグメント利益益1億800万円(同11・4%)となった。

セコニックホールディング

2016年3月期
第3四半期連結業績
売上高69億3300万円(前年同期比3・8%増)
営業利益 3000万円(同0・4%減)
経常利益 △3200万円(前年同期3億6600万円)
四半期純利益 △1億8700万円(前年同期6200万円)

2016年3月期
通期連結業績予想
売上高93億円(前期比2・9%増)
営業利益 1億8000万円(前期600万円)
経常利益 1億5000万円(同54・4%減)
当期純利益 △8000万円(前期7100万円)