夏,猛暑関連銘柄,サマーストック
(写真=PIXTA)

最近では日本の夏の気温が35度を超えることも珍しくはなくなっているが、今年はエルニーニョ現象の終息にともないラニーニャ現象が予想されるなど日本でも猛暑になることが懸念されている。

ただでさえ最近の夏は暑いのにまだ暑くなるのかとゲンナリしてしまうが、自然現象には人間は逆らうことはできない。国は変わるがインドでは今年気温が51度を観測し多数の死者が出るなど世界的にも高温の波の影響は押し寄せているようだ。

つまり猛暑をいかに乗り切るかは人の命に関連する重大事項のため関連企業はサービス提供に一層力を入れることになる。あと1月ほどで夏本番まできているが、もし今年が猛暑だとすれば株式市場においてもいわゆる「暑さ対策関連株」「猛暑株」といったテーマ株が盛り上がりをみせるはずだ。

そこで、猛暑であることで企業利益が上昇しそうな企業をまとめていこう。

飲料関連企業

暑い夏には水分補給が欠かせない。まずは飲料という目線から大きく分けて飲み物、お酒、ビアガーデンに関する企業をご紹介する。

通常の飲料に関しては世界的にもコカ・コーラ社が有名だが、日本にはコカ・コーラウエスト <2579> とコカ・コーライースト <2580> の2社が存在する。飲料業界の中でもこの2社は存在感が大きくまた飲料を提供する優待制度を行っていることから投資家たちの人気も高い。なお上記2社は2016年4月に、将来的に経営統合をする方向であることを発表しているため今後も注目だ。

次に夏と言えば消費量が増えるのがビールなどのお酒だ。中でも注目の企業はサントリー <2587> だ。サントリーと言えば、ウイスキーを使用したハイボールに力を入れているイメージだが最近ではハイボール専門の店が出たり、女性でも気軽に飲めるようにコンビニ各社で取り扱うなど消費の幅を増やしている。

また夏場にお酒を飲める場所としてはビアガーデンが盛り上がりを見せる。最近はビルの屋上の小さなスペースを利用して都内でもビアガーデンを展開する飲食系企業が増えてきている。例えば、先ほどのサントリーがらみで「サントリー屋上ビアガーデン」を運営するダイナック <2675> やおしゃれなハワイアンビアガーデンを手掛けるゼットン <3057> あたりが注目だ(※ゼットンは名称セントレックスのため出来高が少ないのが難点)。

また、ちょっと風変わりではあるが、「ミドリムシ」をてがけるユーグレナ <2931> も期間限定で「ユーグレナビアガーデン」をオープンさせる予定となっている。最近の健康志向も後押しし、ユーグレナを利用したビールなども思わぬ流行りを見せるかもしれない。

熱中症対策企業

さて猛暑と言えば毎年必ず話題となるのが、「熱中症対策」だ。対策として真っ先にダイキン <6367> などに代表されるエアコンが思いつくが、今年は熊本などで震災が起きたことからエアコン使用の自粛ムードが広がることも想定される。そこでエアコン使用を軽減するためのその他の熱中症対策サービスを中心にいくつか企業を上げて行こう。熱冷まシートなどを展開する小林製薬 <4587> に注目だ。熱冷まシートは、発熱時に使用できるだけでなく猛暑時の体の冷やしや就寝時にも利用できる。

次に大量の発汗で失われる体の塩分を補てんするために最近では塩飴が流行っているようだ。これは手軽に持ち運べ価格も安く長持ちすることもあるため、熊本をなどの被災地を中心に爆発的な人気が出るのではないかと予想している。そこでカンロ <2216> をマークしたい。ただし、この銘柄も出来高は少なめのため購入時には慎重な注文が必要とされる。

最後に宅配サービスを展開する企業の夢の街創造委員会 <2484> に目をつけておこう。猛暑となると外に少し出るのもためらい宅配を頼むことが多くなる。同社は出前館が好評なうえ、飲食店向けへの食材供給事業を子会社で展開しており業績を順調に伸ばしている。

レジャー関連企業

さて最後に夏のレジャー関連企業をいくつかご紹介する。猛暑と言えど晴れた夏の日には外で爽快に遊びたくなるのが人間の性。しかしカンカン照りの中で熱中症になる可能性の高い場所にいくことは考えにくい。そこで猛暑に避暑的な遊びができるアウトドアグッズ等に注目したい。特に最近は健康志向やファッションの一つとしても山が注目されているため、猛暑時には思わぬ盛り上がりをみせそうだ。

まずはアウトドアグッズの有名どころとしてスノーピーク <7816> に注目だ。その企業名からどうしても冬のグッズを扱う企業と思われがちだが、川辺のバーべキューや山でのテント張りなど幅広く商品を扱うアウトドア企業だ。アウトドアの中ではどちらかと言えば付加価値のある高級品を売りにしているようだが、アウトドアのような危険が隣あわせのレジャーでは、上記のような企業が業績を伸ばすことだろう。

次に夏と言えば女性が最も気にするのが日焼けだ。猛暑なら晴れる日が多くなり汗もかくため何度も塗り直し、どうしても日焼け止めの消費量がおおくなる傾向がある。そこでアットコスメ(化粧品口コミサイト)などでも常に上位に入るビオレの日焼け止めを展開する花王 <4452> に注目だ。大型銘柄のため業績への貢献度は限定的だが、売れ行きが伸びれば当然株価の伸びも期待できるだろう。

以下が文中で取り上げた猛暑関連銘柄の一覧だ。ぜひ参考にしてほしい。

飲料関連企業

コカ・コーラウエスト <2579>
コカ・コーライースト <2580>
サントリー <2587>
ダイナック <2675>
ゼットン <3057>
ユーグレナ <2931>

熱中症対策企業

ダイキン <6367>
小林製薬 <4587>
カンロ <2216>
夢の街創造委員会 <2484>
レジャー関連企業
スノーピーク <7816>
花王 <4452>

谷山歩(たにやま あゆみ)
早稲田大学を卒業後、証券会社において証券ディーリング業務を経験。2級ファイナンシャルプランナー。ヤフーファイナンスの「投資の達人」においてコラムニストとしても活動。2015年には年間で「ベストパフォーマー賞」「勝率賞」において同時受賞。ネットマネーや日経マネーと言った経済雑誌での執筆活動も行う。個人ブログ「 インカムライフ.com 」を運営。

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