1ドル90円台は高すぎる?
日本の輸出産業の規模は年間約80兆円で、ドルをはじめとする外貨建ての取り引きが7割を占める。1円の円高になれば、1%の為替差損が発生するというのが目安だ。そうなれば5000億円以上のマイナスが生じることになり、円高が10円進めば輸出産業全体では5兆円もの損害を被ることになりかねない。
最悪の場合、円高で収益が悪化した企業の株が売られることも考えられる。それによって株価が下がり、市場で資金調達ができないとなれば、銀行からの借り入れが増える。企業の財務状況が悪化したり債務超過となれば、倒産も想定されると見る(城西大学現代政策学部・霧島和孝教授)。
これまで1ドル120円を超える為替水準のときも、輸出企業は円安で利益を上げてきた。アベノミクス以降、国内の大企業は軒並み史上最高益を出してはいたが、その要因は円安で生じた為替差益、保有する資産の価格上昇によるキャピタルゲインによるものだったという見方もある。
今後、円高と株安がさらに進めば、輸出企業ばかりか内需企業も株価が下落するかもしれない。今後、1ドル90円台の円高となれば、変化に耐えられない企業が続出し、大企業も安泰ではなくなるはずだ。
英国のEU離脱への動きをきっかけとした円高と株安が今後も続くようであれば、日本経済はますます厳しくなるだろう。(ZUU online 編集部)
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