バイオメトリックスをほかの技術と組み合わせ、安全性強化
これらの消費者はバイオメトリクス技術を、安全性の高い便利なものと見なしているが、欧州VISAイノベーション・パートナーシップスのエクゼクティブ・ディレクター、ジョナサン・ヴォー氏は、「バイオメトリックス技術単体では、100%正確で安全な技術とはいえない」と、万能の技術ではないことを認めている。
あらゆる種類のバイオメトリクス技術が、身体の特徴を数値化してサーバーで参照するという手法をとっているが、この数値自体が盗みだされてしまう可能性がある。
また正確な情報入力が不可欠のパスワードとは異なり、バイオメトリクスの認証システムは、「ほぼ正確な情報」であれば受けつけるという欠点もある。これは精密度を高くしすぎると、誤って登録者本人も拒絶されるなどの不都合が生じやすくなるからだ。
しかし「バイオメトリックス技術をほかの技術と組み合わせることで、これらの問題を解決することができる」とヴォー氏はいう。例えばジオロケーション(地理位置情報)技術などを追加し、二重、三重に本人確認を行い、複数の角度から精密度を高める工夫が、セキュリティー強化につながるというわけだ。
バイオメトリクスの昨年の収益はすでに138億ドル(約1兆4467億円)。さらに今後5年間にわたり、300億ドル(約3兆1449億円)の巨大市場に成長を遂げると予想されている。( FinTech online編集部 )
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