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(写真=PIXTA)

2016年3月決算期に「駆け込み増配」という言葉が新聞などメディアで取り上げられたことをご存じだろうか。駆け込み増配とは、決算期末前に配当金を増額することを発表するものだ。2015年4~12月期決算発表後に配当予想を引き上げた企業が127社と9年ぶりの高水準になり、最近では配当を引き上げることが企業統治改革としての効果のひとつとなっている模様だ。

それでは、こうした流れ以前から配当を増やしてきた企業にはどのようなところがあるのだろうか。日米それぞれの連続増配を実施している企業を調べると、長期にわたって連続増配を行っている企業があるのだ。

S&P500配当貴族指数に注目

S&P500配当貴族指数という株価指数をご存じだろうか。特徴的なのは、25年以上連続増配を行っている企業の株価から構成されることだ。これは米国S&P500構成銘柄のうち30億ドル以上の大型株で、過去25年間連続して毎年増配を行っている企業から、入れ替え等を伴って算出されている株価指数だ。例外もあるが、一般的に連続増配ができる企業は、業績がよく、成功している企業が多い傾向にある。また、株主還元といった側面から連続増配する企業も多いため、株主を重視しているともいえる。

実はS&P500配当貴族指数は、長期的に見るとS&P500指数よりも良いパフォーマンスを出している。6月10日現在の10年年次リターンはS&P指数が5.29%なのに対し、S&P配当貴族指数は7.70%となっていることがその証明だ。最終的には増配=成長と捉えることができるため、後述するP&Gのように株価も順調に推移している場合が多いといえる。

さて、このS&P500配当貴族指数に選出されている銘柄には、どのようなものがあるのだろうか。