節税 住宅ローン控除
(写真=Thinkstock/GettyImages)

「住宅ローン控除」という制度をそもそもご存じでない方もいるのではないだろうか。今回は、住宅ローン控除を利用して節税したい方へ向けて改めて制度を紹介するとともに、注意点なども解説していく。住宅の建築、購入、あるいはリフォームを考えている方は、ぜひ参考にしていただきたい。


住宅ローン控除とは?

住宅ローン控除は、正式には「住宅借入金等特別控除」といい、住宅の取得や改修などに際して適用を受けることができる制度である。取得から一定期間はその住宅に継続して住む必要があることや、2つ以上の住宅には適用できないことなどから「マイホームローン控除」と呼ばれることもある。床面積の広さやその利用割合に制限があることからも、事業所などの購入には適さず、あくまでも個人が住居用不動産を購入するための制度であることがわかる。

マイホームに関するものでさえあれば、取得に限らず多くの改築・改修工事がこの制度の適用対象になる。適用ケースのすべてを詳細に説明することは難しいが、とにかくマイホームの購入やリフォームを行うならば住宅ローン控除を利用できる可能性があると考えていいだろう。なにせ一定の条件さえ満たせば、ローンを利用しない場合であっても適用できるケースもあるほどだ。

住宅ローン控除でどのくらい節税できる?

住宅ローン控除は、先述のとおり増改築や改修工事においても適用される制度だが、今回は特に「住宅取得」のケースを例にとって解説する。とはいえ、増改築や改修工事において適用されるものも形態としては近しい。計算に用いる式や数値に違いはあるが、制度自体の概要を理解するには十分だろう。

年数その他の条件によって異なるが、基本的に年末の住宅ローン残高に税額控除率1%を乗じたものが、各年の控除限度額となる。仮に、2500万円の住宅を購入した場合、2500万円×1%=25万円がその年の控除限度額だ。次にその控除限度額をその年に支払った所得税と比較して、所得税を20万円支払っていたならば20万円が全額還付されるというわけだ。控除額の余剰分は13万6500円(前年の課税所得 × 7%)を限度として翌年以降の住民税から控除される。つまり、「還付された所得税+翌年以降の住民税(13万6500円)」が、住宅取得に際して住宅ローン控除を活用した場合の控除上限額ということになる。

なお、この控除上限額についても、年数その他の条件によって異なるが、基本的には最大で各年40万円、特定の条件を満たす住宅を購入した場合で最大50万円という制限がある。所得税の支払い状況にもよるが、この控除額をすべて使い切るとして50万円×10年間=500万円が住宅ローン控除の活用で節税できる最大額ということになる。

節税に住宅ローン控除を活用するための条件は

最大で50万円の控除を受けられる「特定の条件を満たす住宅」とは、長期優良住宅や低炭素建築物などのことだ。具体的には、省エネ対策やバリアフリー対策、あるいは耐震対策が施された住宅を指す。また、住宅取得に際して住宅ローン控除を適用する場合は、その住宅が新築であるか建築後使用されていないことが条件となることには注意が必要だ。

中古住宅の取得においてもそのほかの条件を満たしていれば住宅ローン控除は適用されるが、上限額は年間40万円となる。それでも、購入する物件の価額によってはこちらの上限で十分である可能性もある。その辺りはケースバイケースで見極める必要があるだろう。

控除を利用する上で注意したい点

まず、住宅ローン控除はあくまでも住宅購入・リフォームなどに適用される控除であり、贈与などによる取得は一切含まれない。ローンを組むことが基本条件の制度であるから当然といえば当然だ。ともに生活している親族などからの取得も同様に適用されないので、念のため留意しておいていただきたい。

それから、控除額を計算する上で各年末のローン残高として対象になるのは、あくまでも「住宅の購入価額」であるということを忘れてはいけない。仮に2500万円の住宅を購入するために家財道具などの費用と合わせて3000万円のローンを組んでいたとしても、控除されるのは2500万円×1%=25万円が限度ということになる。

前述で、中古住宅の取得においても同様に住宅ローン控除は適用されるとしたが、この場合満たさなければいけない条件がいくつか付加される。新築でも中古でも、条件を満たしているかどうかは購入前に確認しよう。

住宅ローン控除だけが節税ではない

ここまで住宅ローン控除を説明してきたが、住宅購入に際して利用できる控除はこればかりではない。例えば、それまで住んでいた物件を売却したのちに新たな物件を購入した場合などは「居住用財産を譲渡した場合の3000万円の特別控除の特例」の適用も視野に入るだろう。

そのほか、ローンを繰り上げ返済することによる節税対策などもある。さまざまな対策があることを理解するためにも、選択した控除を確実に適用するためにも、専門家などの意見を一度聞いてみるというのも選択肢のひとつだ。

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