米大手保険会社、エトナ(Aetna)の「健康管理のために、AppleWatchを顧客に破格の値段で販売する」という新たな戦略に、Appleが多大なる関心を示している。

エトナ独自の健康管理アプリを開発し、AppleWatchを含むとiOSデバイスと組み合わせて顧客に提供することで、顧客の生活をより快適なものへと向上させるという試みだ。現時点では開発段階ではあるものの、すでにティム・クックCEOが全面的な協力姿勢を示している。

クックCEO「健康・医療産業の顧客経験を著しく向上させる画期的な動き」

健康管理にiOSの技術を組みこむという発想は、エトナが約5万人の従業員に実施している「健康償還プログラム」から生まれたものだ。現代病でもある不健康な生活スタイル。ただ漠然と「健康的な生活」を心がけるだけでは、規則的な生活を習慣づけることは難しい。なにか原動力となる「ご褒美」が欲しいと感じてしまうのが人間というものだろう。

そこでAppleWatchとアプリという「報酬」を提供することで、健康管理を促進する意図である。エトナの従業員は無料で配布されたppleWatchを、健康的な生活スタイル作りに活かしているそうだ。

エトナはこのプロジェクトを顧客層にまで拡大する第一ステップとして、Appleの支援を戦略にいれ、iPhone、iPad、Apple Watchなどのデバイスで利用可能な高機能アプリの開発に着手している。

このアプリは日常的な健康管理から処方箋の注文や薬歴・服用管理を含む、総合健康管理機能を備えた優れものになる予定だ。またAppleWalletとリンクさせ、医療費の直接決済も行えるようになるという。

エトナのマーク・ベルトリーナ会長兼CEOは「健康的な生活習慣の普及促進に向け、アプリ開発を手始めとした多様なサービスを提供していく」とコメント。2017年下旬を目途に、顧客に低価格でAppleWatchを販売し、アプリの配信サービスを開始させる流れだ。

正式な提携関係の発表段階には至っていないが、クックCEOはこうしたエトナの取り組みを「健康・医療産業の顧客経験を著しく向上させる画期的な動き」と大絶賛。エトナの成功を支援する意気ごみを全開にしている。

テクノロジーの導入では一歩出遅れた印象の強い保険産業だが、米大手保険会社と国際的テクノロジー会社という異例のコラボレーションの誕生で、一気に飛躍すると期待できそうだ。(ZUU online 編集部)

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