アルゴナビス清水の投資戦略
(写真=PIXTA)

今朝も寒い北風が吹いていました。昨日の日本株式市場は冴えない展開となったところから日銀のような買いが入ってきた感じでしたが、まさかTOPIXが11連騰となるなかで、と疑心暗鬼だったのですが、実際に買っていたということです。以前から言っていたことですが、日銀のETF買いは株価対策ではないということで、単純に資金供給の一環としてみておいて良いのだと思います。

また、一方で、これだけの急騰なのでカラ売りも依然として多く、下げ渋る要因となっているものと思います。空売りの買い戻し一巡となったとこから一気に調整ということになりそうです。週刊誌ではほんの1カ月前は「日経平均13,000円割れ、1ドル=80円」という見出しが掲げられていたのですが、今週号では「年内2万円、今世紀最大のチャンスを逃すな」という見出しになっています。この週刊誌だけではないですが、皆が強気になると株が下がり、弱気になると株が上がるということなのだと思います。日本株など買ってはダメだと言っていた著名投資家も日本株買いに向かったということですから、調整は近いということでしょう。

米国株が上げ一服となり、為替も円安一服となったことから本日の日本市場は手仕舞い売りに押される展開となりそうです。ただ、日銀買い期待が根強く、売り難さもあって少し下がったところですぐに買い戻しが入るというように底堅さが見られそうです。それでも日銀の買いが入らないとなると一気に手仕舞い売りが出るという可能性もありそうです。さすがにTOPIXが12連騰となると利益確定の売りも多くなりそうです。

18,000円台で値持ちの良い展開です。日銀買いが期待されることから売り難さも出てくるものと思いますが、それでも上値では手仕舞い売りも出てきそうです。18,000円台前半での動きが続きそうです。

本日の投資戦略

TOPIXが11連騰中という中で日銀のETF(上場投資信託)買いが見られ
ました。株価対策でないということがはっきりとしたのではないかと思いますが、売り方にとっては買い戻しを急ぐ要因となったものと思います。ただ、為替も円安一服となっており、こうなると輸出企業のドル売りを急ぐ動きも出てきそうで、当面少なくとも上値は重くなりそうです。

日銀が買っているかいないかということで右往左往することもないと思います。買われすぎた銘柄は手仕舞い売りに押されるのでしょうし、買われていない銘柄は特に売られるということでもないでしょう。相変わらず空売りが多い状態なので、少し下げるとすぐに買い戻しが入るという状況には変わりなく、指数は膠着となる可能性もありそうです。それでも目先的な過熱感から手仕舞い売りを急ぐ動きになるとどちらかというと下方向に放れやすいと思います。

清水 洋介(しみず ようすけ)
証券経済アナリスト。大和証券、ソシエテジェネラル証券、マネックス証券を経て投資情報サービス会社「ピクシスリサーチ」を設立 (現・ アルゴナビス )、「チャートの先生」「投資のプロ」として、講演やセミナー活動を活発に開催。テレビや雑誌などでも投資についての解説、講義なども行っている。 メールマガジン も配信中。

※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。

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