米ゴールドマン・サックスがロンドンのヘッジファンド業務をニューヨークに移転する予定であることが、複数の内部関係者から明らになった。
ゴールドマンはBrexitとの関連性を否定しているが、すでに8人の従業員がロンドンからニューヨークに移転しているほか、チームを統率しているディレクターの退社も報じられている。
移動理由はヘッジファンド事業の低迷?Brexit?
Brexit交渉開始を目前に控え、大手銀行のロンドン撤退が現実味をおびてきた。ゴールドマンに関しては先月も1000人から3000人の大規模移動が報じられた直後、ロイド・ブランクファインCEOがロンドン集中型の業務展開をニューヨークなどに分散させる可能性を示唆していた。
ゴールドマン広報部は先立ってニューヨークに移転した8人の従業員と、英EU離脱の関連性を否定。あくまでゴールドマン・サックス・インベストメント・パートナーズ(GSIP)側の事情で決定したと主張している。
2008年に70億ドル(約7958億3000万円)規模の巨大ヘッジファンドとして設立されたGSIPだが、金融規制改革法(ドッド・フランク法)の煽りをうけ現在の運用資産は35億ドル(約3979億1500万円)まで減少。2015年9月からの1年間、オフショアファンドでは8.2%の損失をだした。現在の運用資産が移転した8人に影響する公算だと指摘されている。
ロンドン撤退を予感させる動きはほかにもある。米ロイターなどに流出した内部関係者の話によると、ロンドンチームのマネージング・ディレクターだったニック・アドヴァ二氏は現在アドバイザリー部門に移動。年内の退社を予定している。またアドヴァ二氏に代わってチームを統率してきたラルカ・ラグブ氏も、同じく退社を決めているという。
ブリュッセルのシンクタンク、ブリューゲルは2月8日、「Brexitにともなう英国外への銀行資産流出が1兆8000億ユーロ(約218兆1470億円)にのぼる」と予想した報告書を発表した。(ZUU online 編集部)
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