もうひな祭りということで朝、駅の階段を上って地上に出てくるとうっすらと明るくなりました。株式市場も堅調な展開が期待されるのですが、昨日の相場でも日経平均は安値引けとなるなど、まだまだこの水準から先は買えないというような雰囲気で盛り上がりがありません。とりあえずは買い戻しが入ったということであれば、今度は下げ始めると買い戻しがなくなって大きな下げとなることもあるので注意が必要ではないかと思います。
「トランプ相場」と言われていますが、トランプ大統領が何をしたかということを考えれば入国審査の問題など移民対策だけではないかという気がします。取り合えず前政権の全否定から始まるのは仕方ないとしても、実現性を考えての政策というものが具体的に何も見えてこないことはとうにわかっていたのですから、「トランプ相場」などというものはないのではないかと思います。単純に需給相場という感じでもあり、過度な期待はしない方が良いのではないかと思います。
米国株が下落となったことから本日の日本市場は売り先行となりそうです。週末ということで手仕舞い売りも嵩んできそうで冴えない展開になるのでしょう。それでも為替が円安気味ということで底堅さも見られそうで大きく下押すということでもないと思います。米国市場に振らされている相場もそろそろ決算を控えての動きになりそうで、上方修正期待銘柄などが注目されそうです。小型銘柄は相変わらず値動きの良いものに飛びつくということになるのでしょう。
19,500円をあっさりと上回って、年初の高値を超えて来ましたが、やはりこの水準では上値も重くなりそうです。19,500円~600円水準での値固めとなるか、あるいは再度19,000円水準を試すことになるのかということなのだと思います。あっさりと19,500円を下回って引けるようであれば、下値を試すことになりそうです。
本日の投資戦略
「トランプ相場」も一晩で剥げたということになるかどうかです。実際にはトランプ大統領の議会演説で株価が上昇したというよりは、好調な経済、そして利上げ出来るような世界的な状況ということが再認識されて買い直されたということでしょう。米国でのドル高懸念もそれほどでもないということなのかもしれません。ただ、逆にここからは「トランプリスク」を考えておいた方が良いと思います。大統領の政策や言動だけではなく、議会との関係などで混乱すれば、ドル売り円買いになりそうです。
一方で、国内では決算時期ということで足元の好調と思われる業績面からの見直しなどもあると思います。為替が円安になれば、「トランプリスク」に対する懸念はあるものの、自動車株など輸出株にも見直し買いが入りそうです。さらに、日銀の金融政策決定会合などで日銀の政策継続への期待なども出てきそうです。
清水 洋介(しみず ようすけ)
証券経済アナリスト。大和証券、ソシエテジェネラル証券、マネックス証券を経て投資情報サービス会社「ピクシスリサーチ」を設立 (現・ アルゴナビス )、「チャートの先生」「投資のプロ」として、講演やセミナー活動を活発に開催。テレビや雑誌などでも投資についての解説、講義なども行っている。 メールマガジン も配信中。
※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。
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