ドイツ銀行のストラテジスト、ロビン・ウィンクラー氏が「スイス国立銀行(SNB)が「が為替の介入を停止する方向に傾いている」との見解を示したと、英為替情報サイト「poundsterlinglive.com」が報じた。

SNBの最近の調査からは「スイスフランの過大評価がおさまり始めている」との報告もでおり、「スイスショック」再来の懸念が浮上している。


追加利下げ、介入廃止?今後の動きに要注意

「永世中立国による安全通貨」として根強い人気を誇るスイスフラン。本来は流動性の低い通貨だが、世界情勢が不安定な方向に傾いた際には市場での需要が一気に高騰する。近年「スイスフランの過大評価」は慢性化しており、SNBはマイナス金利の導入や為替介入などを対策としてきた。

もっとも最近では昨年7月、英国のEU離脱決定をうけ、2015年1月の「スイスショック」以来最大規模の為替介入を行った。そして仏大統領選挙が目前に迫った現在、右政党・国民戦線(FN)のマリーヌ・ルペン党首が最有力候補のひとりとして浮上した背景から、再びスイスフラン相場が上昇している。

しかし「多くの投資家が安全資産への流入にばかり注目し、ルペン党首が落選すれば市場が落ちつくと予想している」という状況に、ウィンクラー氏は懐疑心をあらわにしている。

またノルウェーの大手投資会社、DNBマーケットもスイスフラン高騰の警鐘を鳴らす書面を顧客に送ったという。DNBはSNBが近日中にバランスシートのリスクを抑制する目的で、追加利下げや介入廃止といったなんらかの金融市場調節を行うと予測している。

スイスフランの過大評価が下火傾向にあるのならば、SNBが自国通貨を防衛する利用がなくなる。ユーロに対するスイスフランの為替レート上限(1.2)を突如撤廃し、市場を大混乱におとしいれた「スイスフランショック」のような動きにでることも考えられる。

一部のアナリストからは「ユーロが著しく過小評価されている」との指摘もあがっている。これについてはトランプ大統領も同様の見解から、ドイツ批判の材料にしている。(ZUU online 編集部)

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