ROE、営業利益から採用が予想される銘柄

それでは、ROE、営業利益から新規採用が予想される銘柄を見て参ります。まず、日経225採用銘柄からは大日本住友製薬< 4506 >です。過去3期のROEは2.68%、3.00%、5.37%であり、3年平均は3.68%となります。また、過去3期の営業利益の累計も876億円と高く、時価総額も5001億円と日経225採用銘柄のほぼ中央値にあります。また、松井証券< 8628 >も過去3期のROEの推移が5.6%、8.2%、19.6%と着実に増えており、結果、3年平均のROEは11.1%です。過去3期の営業利益の累計も446億円であり、ROE、営業利益面からは遜色ありません。ROEの面から見ると、日本駐車場開発< 2353 >は過去3期のROEが43.83%、23.52%、51.86%であり、3年平均は39.7%と高ROE銘柄となっています。営業利益の3年累計が53億円と低いですが、このような高ROE銘柄も入ってくる可能性があります。


ROE、営業利益から脱落が予想される銘柄

続いて、JPX400の構成銘柄から脱落が予想される銘柄をあげていきます。まず、今期の最終決算が赤字となったソニー< 6758 >です。結果、過去3期のROEの推移が▲19.96%、2.04%、▲5.76%となり、3年平均のROEが▲7.89%となっています。よって、JPX400構成銘柄からの転落は避けられないものと考えられます。また、半導体製造装置大手の東京エレクトロン< 8035 >も、今期は最終赤字のため、過去3年のROEの推移を見ますと、6.33%、1.03%、▲3.31%。3年平均のROEは1.35%となっています。いずれにせよ、米アプライド・マテリアルとの統合により、現在の東京エレクトロン株式は2014年9月で廃止予定ですが、一足先にJPX400構成銘柄から消えるかもしれません。さらに、今期決算で最終赤字に転落したワタミ< 7522 >も、過去3期のROE推移が12.19%、11.16%、▲18.17%となり、3年平均では1.73%であることから、JPX400構成銘柄から外れる可能性があります。


新規追加はROE続伸銘柄、脱落は最終赤字転落銘柄

JPX400への新規追加銘柄と脱落銘柄をまとめると、新規追加は増収増益でROEが続伸した銘柄。脱落するのは最終赤字に転落したことで3年平均のROEがマイナスまたはゼロに近くなった銘柄であることがわかります。JPX400の採用理由はクリアであり、投資対象をスクリーニングする際に役立つものです。8月7日の発表後に、新規採用企業、脱落企業の財務指標をチェックするのは、投資判断に役立つもの思われます。

【関連記事】
NISAで資産運用!!新指数「JPX日経400」連動投信を利用する
海外投資家殺到?ROEが重要視される「JPX日経インデックス400」とは?

Photo from 東京証券取引所