結果の概要:住宅着工、許可件数ともに前月から減少、市場予想も下回る

6月16日、米国センサス局は5月の住宅着工、許可件数を発表した。住宅着工件数(季節調整済、年率)は109.2万件(前月改定値:115.6万件)と、117.2万件から下方修正された前月改定値からさらに減少、前月からの増加を見込んでいた市場予想の122.0万件(Bloomberg集計の中央値、以下同様)を大幅に下回った(図表1、図表3)。

住宅着工に先行する住宅着工許可件数(季節調整済、年率)も、116.8万件(前月:122.8万件)と、こちらも122.9万件から小幅下方修正された前月を下回ったほか、市場予想の124.9万件を大幅に下回った(図表2、図表5)。

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結果の評価:集合住宅の減少が顕著

住宅着工件数の伸びは、前月比▲5.5%(前月:▲2.8%)と3ヵ月連続の減少となった(図表3)。戸建てが▲3.9%(前月:+0.2%)と前月から減少に転じたほか、集合住宅も▲9.7%(前月:▲9.6%)と5ヵ月連続の減少となった。一方、前年同月比でも全体が▲2.4%(前月:▲0.7%)と2ヵ月連続で減少となった。戸建てが+5.5%(前月:+5.1%)と、こちらは16年9月以降、増加基調が持続する一方、集合住宅が▲8.0%(前月:▲5.8%)と3ヵ月連続で減少しており、こちらも集合住宅の減少が続いている。

一方、住宅着工件数(前月比)の地域別寄与度は、西部が+0.3%ポイント(前月:+0.5%ポイント)と増加を維持したほか、北東部も横這い(前月:▲2.4%ポイント)と前月から改善したものの、中西部が▲1.5%ポイント(前月:+3.9%ポイント)と、前月から減少に転じたほか、南部が▲4.4%ポイント(前月:▲4.7%ポイント)と4ヵ月連続の減少となった(図表4)。

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住宅着工の先行指標である住宅着工許可件数は、前月比が▲4.9%(前月:▲2.5%)と2ヵ月連続の減少となったほか、前年同月比も▲0.8%(前月:+5.6%)と、16年11月以来となる減少に転じた(図表5)。

住宅着工許可件数(前月比)を戸建て、集合住宅でみると、戸建ては▲1.9%(前月:▲3.9%)と3ヵ月連続のマイナスとなったほか、集合住宅も▲10.4%(前月:横這い)と2桁のマイナスとなった(図表6)。

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一方、建設業者のセンチメントを示す住宅市場指数は、6月が67(前月:69)と前月から低下したほか、住宅販売動向が73(前月:75)、今後6ヵ月の住宅販売見込みが76(前月:78)、客足が49(前月:51)と、いずれも前月から低下した(図表7)。

同指数は、依然として前年同月の水準を上回っており、水準自体は悪くないものの、住宅着工・許可件数と同様、住宅市場の回復モメンタムが低下している可能性を示しており、今後の動向が注目される。

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窪谷浩(くぼたに ひろし)
ニッセイ基礎研究所 経済研究部 主任研究員

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