6月も最後の週になりましたが、空梅雨という雰囲気で、夏の水不足も気になります。株式市場もこれといった材料も動きもなく、方向感に乏しくなっていますが、月末を意識して動きも出てくるかもしれません。昨年のシャープ <6753> に続いて東芝 <6502> が二部に降格になるということでの波乱もありそうです。

相場が上昇しているとか下落しているとかいうときに日経平均が高いか安いかでいうことが多いのですが、日経平均は225銘柄、それも特に影響の大きい20~30銘柄の動きで高いか安いかが決まってしまうような感じですから、しっかりとその内容を把握しておくことも大切だと思いますし、日経平均の動きに振り回され過ぎないことも必要だと思います。

相場全体としての盛り上がりもない状況ですが、週が変わっても何も変わりそうにありません。月末、四半期末ということを意識してさらに手仕舞いの売り買いが中心となりそうです。日経平均に東芝 <6502> の代わりに採用されると考えられているような任天堂 <7974> や村田製作所 <6981> などは期待がさらに強まって買われそうですが、まだ日経平均の動きに影響を与えるでもなく、あくまでも個別の材料で動きが出るということになりそうです。小型銘柄も買い疲れ感が出ているものも多く、幕間つなぎ的に買われるものも出るのでしょうが、物色の広がりは見られそうもありません。

2万円を割り込こまないような雰囲気になっていますが、特に買い上がる材料もなく、持ち高調整や日経平均の採用銘柄の入れ替えに絡む売りなどが見られればあっさりと2万円を割り込むこともありそうです。上値を買い上がる手掛かりにも乏しく、当面は20,000円を割り込んで買いが入るのかどうかということが注目されそうで、下値は19,500円~600円水準、上値は20,200円~300円水準ということではないかと思います。

本日の投資戦略

アルゴナビス清水の投資戦略
(写真=PIXTA)

引き続き手掛かりに乏しい展開になりそうですが、東芝 <6502> の二部降格決定が案外大きな材料となりそうです。任天堂 <7974> や村田製作所 <6981> が大きく上昇している理由が東芝の代わりに日経平均に採用されるかもしれないということであれば、どちらが採用されるにも大きな波乱となりそうです。

ちょうど日経平均の水準としては同じような水準であった2000年4月に日経平均採用銘柄を一気に30銘柄入れ替えたことがありましたが、当時は入れ替えた後に日経平均は急落となったことがありました。このように銘柄入れ替えの際の混乱ということが、村田製作所や任天堂という値段の高い株を入れ替えるとなると大きな波乱となる可能性もあるのですし、現状よりもさらに日経平均が為替の影響を大きく受けるということになりそうです。

清水 洋介(しみず ようすけ)

証券経済アナリスト。大和証券、ソシエテジェネラル証券、マネックス証券を経て投資情報サービス会社「ピクシスリサーチ」を設立 (現・ アルゴナビス )、「チャートの先生」「投資のプロ」として、講演やセミナー活動を活発に開催。テレビや雑誌などでも投資についての解説、講義なども行っている。 メールマガジン も配信中。

※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。

【編集部のオススメ記事】
「信用経済」という新たな尺度 あなたの信用力はどれくらい?(PR)
資産2億円超の億り人が明かす「伸びない投資家」の特徴とは?
会社で「食事」を手間なく、おいしく出す方法(PR)
年収で選ぶ「住まい」 気をつけたい5つのポイント
元野村證券「伝説の営業マン」が明かす 「富裕層開拓」3つの極意(PR)