投資家なら誰でも気になるのが「成功している投資家がどんなポートフォリオを組んでいるのか」だろう。そんな投資家にとって参考になるイベントが開かれた。投資信託への投資経過をブログでつづっている人気ブロガー3人が自分のポートフォリオ(PF)を披露する「俺のPFセミナー」だ。

吊られた男こと「吊ら男」(つらお)、「ASK」(えーすけ)、「yb」(わいびー)の3氏が登壇、自身のポートフォリオのみならず、投資に対する考え方や方針など成功者ならではの哲学やテクニックを披露した。

このセミナーを開催したのは松井証券。ロボアドバイザー「投信工房」のスマホ向けアプリをリリースしたことや最低購入金額を100円に引き下げたことなどを記念して開催した。

>>「投信工房」公式サイトはこちら

100円から投資できるロボアド「投信工房」

(画像=松井証券Webサイトより)
(画像=松井証券Webサイトより)

投信工房は松井証券が提供するロボアドで、一人ひとりに最適なポートフォリオ(投資信託の組み合わせ)を無料で提案してくれるサービスだ。投信は低コストで分散投資できるため、投資初心者から上級者まで幅広く活用されている金融商品。しかし国内だけでも5000銘柄以上あり、初心者には「どれを選べばいいか分からない」という悩みがある。

そこで松井証券が、無料で国際分散ポートフォリオを提案してくれるサービスとして開発したのが「投信工房」だ。コンセプトは「世界経済の成長にあわせて資産を形成する」というもので、長期・分散・積立という個人投資家にとって望ましい資産形成の実現を目指している。

投信を購入するため信託報酬等の諸経費はかかるものの、サービスの利用は無料だ。使いたい人はWebサイトまたはアプリで年齢、投資経験、目的、リスクに対する姿勢などいくつかの質問にこたえるだけで、利用者それぞれのリスク許容度に応じたポートフォリオによる資産運用方法を提案してもらえる。また、積立設定は毎月、毎週、毎日から選ぶことができ、積立額も100円からとハードルが低いのも魅力だ。

投信工房は投資一任契約ではないものの、アドバイスだけではなく運用開始後のリバランスもサポートしてくれるのがポイント。これはほかのアドバイス型のロボアドにはないサービスだ。また、ポートフォリオは投信ブロガ―の投資方法などを参考にカスタマイズすることも可能。初心者だけでなく、上級者にとってもポートフォリオ運用を行ううえで便利なサービスとなっている。

※投資信託は、価格の変動等により損失が生じるおそれがあります。

いずれの投信ブロガーも共通して指摘した重要なこととは?

(俺のPFセミナーの様子。登壇したブロガーは顔出しNG!)
(俺のPFセミナーの様子。登壇したブロガーは顔出しNG!)

イベントのハイライトは登壇した3氏のポートフォリオ公開。サラリーマン投資家の吊ら男氏は最近、『毎月10分のチェックで1000万増やす! 庶民のためのズボラ投資』(ぱる出版)を上梓したばかり。日本株、先進国株、新興国株に3:4:3で、それぞれノーロードを中心にインデックスファンドに分散投資している実にシンプルな構成だ。

個人事業主であるASK氏は昨年末時点のポートフォリオを公開した。基本的に日本株、J-REIT、先進国株、新興国株、FXをそれぞれ15-20%程度、このほか債券やバランス型ファンド、先進国のREITを10%に満たない程度保有している。これとは別にiDeCoに、先進国株、新興国株、預金を4:3:3の割合で投資しているという。2040-50年というずっと先を見越しており、超長期志向で買ったら放置という方針。取引回数も年に数回程度だそうだ。

そしてブログ「Passiveな投資とActiveな未来」を運営するyb氏は、年間の支出より資産運用による収入が上回る”ファイナンシャルインディペンデンス“を達成しそうな勢いという。

その投資割合は日本株15%、先進国株35%、新興国株10%、日本債券25%、流動性資産10%、REIT5%。各アセットクラスでの商品選択では、コスト(信託報酬)、ファンド規模、継続性を重視。自動的に手取り年収のおよそ6割で積み立てしているといい、定期的にポートフォリオをリバランス。2005年から始め、金融危機のあった2008年ごろ数年はマイナスだったが、いまでは元金に対する資産額の時価はプラス40%ほど。資産総額は数億円の水準だという。

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このほか、3人がもし「投信工房を使うなら」と仮定してポートフォリオを公開。来場できなかったブロガー(虫とり小僧さん、菟道りんたろうさん、kenzさん)も同様に仮定のポートフォリオを公開した。どのポートフォリオも同じものはなく、投資スタンスも、現在の経済状況や将来の見方も異なることを示す、興味深い結果となった。

登壇者の指摘で共通していたのは、マーケットは時に大きく下落することがあるので一時的な暴落で投資を続けられなくなることを避けるよう、自分にあった「リスク許容度」をしっかりと把握することや、「コスト意識」をもちながら分散投資することの重要性だった。

会場に訪れた約50人は、初心者から上級者まで幅広かったが、投信ブロガーたちの話にメモを取りながら熱心に耳を傾けていた。考え方はおおいに参考になったようで、終了後も積極的に質問する光景も見られた。

またロボアドに関する講演会も行われたほか、ロボアド「投信工房」に実際に触って体験するブースも設けられ、「思ったよりも簡単に使える」「分かりやすくて『始めてみようかな』という気持ちになる」「定期的なリバランスは面倒なので、リバランスをサポートする機能があるのはありがたい」――といった声が聞かれた。

低コストで分散投資できるのがロボアドの魅力だが、パフォーマンスがよいことから初心者だけでなく投資経験者も活用している。「投資を始めてみたい」「でも面倒はイヤだ」「コストは抑えたい」という投資家は、気軽に投信工房を使って、無料でポートフォリオをつくってみてはどうだろうか。