2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会が、超党派のスポーツ議員連盟との合同総会で、五輪で想定されるチケット高額転売などを規制する法整備を政府と議連に要請した。国際オリンピック委員会(IOC)から対応を求められていたもので、現行国内法に限界があり、政府・関係省庁が協議し、議連が検討チームを立ち上げる 。

法整備の対象は、チケットの転売など5項目。検討される事項は(1)チケットの高額転売やそれを仲介する行為の規制(2)非スポンサー企業による五輪関連商品の不正便乗商法の規制(3)大会関係者の短期滞在資格を90日から180日に手続きなしの延長(4)日本に居住しない大会関係者の活動に対する所得税、法人税など免除(5)大会に使用する無線局免許申請手数料などの免除――である。

チケット転売は違法か、違法でないかの判定は難しい

チケット転売,東京五輪,2020年
(写真=PIXTA)

5項目の中で、一般消費者にも関わりの出てくる問題はチケット転売と五輪関連グッズの不法販売だろう。

チケット転売は違法か、違法でないかの判定は難しいのが現状である。都道府県の多くは、公共の場所での営利目的とみなされる転売を迷惑防止条例で違法として禁止している。ダフ屋が明らかに転売目的でチケットを買い、利益目的で定価以上の価格で売れば違法である。しかし、行けなくなったライブチケットを転売するのは違法ではない。その転売の際、譲渡する値段の設定も、双方の合意が得られた常識的な範囲の金額であれば問題はない。

近年は、チケット発行元や興業者側が本人確認をするケースも出ている。チケット販売側による転売禁止措置である。いずれもダフ屋防止の動きである。つまり身分証明者などを提示しないと、申込者しか利用できないチケットなど。チケットには「転売禁止」とか「転売チケット無効」とか書いてある例もある。五輪チケットがその種のチケットになるかどうか、検討材料になる可能性はありうるのだ。

転売対策はテロ防止目的とのうがった見方も

さらに踏み込んで、この転売対策は「テロ防止」目的という見方がでている。テロリストが転売チケットで競技場に入るのを防ぐための法整備というわけだ。関連して、日本オリンピック委員会(JOC)によると、公式スポンサー以外が「オリンピック」の文字やマーク、関連する文字などを使用した商品を販売したり、五輪に関係するセールを開催したりすることは知的財産権の侵害となる。これらの無断使用・不正使用は法的にも罰せられる。

ちなみに、2020年の東京オリンピック開催に向けて、現行法では対応できない事態への「オリンピック特別措置法」が成立している。誰(何)に対して適用するか、どの期間適用されるのかなど限定されている点で、通常の法律とは異なる。オリンピック特別措置法は、大会の準備や運営に要する費用、予算範囲内の国の補助など定めている。(長瀬雄壱 フリージャーナリスト、元大手通信社記者)

【編集部のオススメ記事】
2017年も勝率9割、株価好調の中でもパフォーマンス突出の「IPO投資」(PR)
資産2億円超の億り人が明かす「伸びない投資家」の特徴とは?
株・債券・不動産など 効率よく情報収集できる資産運用の総合イベント、1月末に初開催(PR)
年収で選ぶ「住まい」 気をつけたい5つのポイント
元野村證券「伝説の営業マン」が明かす 「富裕層開拓」3つの極意(PR)