2020年の東京オリンピックのメインスタジアムとなる新国立競技場。一時はメディアで大きく取り上げられた同競技場も最近は話題になることも少なくなった。

そうしたなか、株式市場では2018年6月13日に大成建設 <1801> が6270円と年初来高値を更新した。大成建設といえば、新国立競技場の建設を急ピッチで進める大手総合建設会社だ。今回は新国立競技場と同社の現況をみてみよう。

※2017年10月配信記事を再編集したものです

目次

  1. 日本の建築技術、マネジメントは素晴らしい
  2. 建設業界は業績も株価も好調

日本の建築技術、マネジメントは素晴らしい

新国立競技場といえば2013年の「新国立競技場問題」を思い出す人も多いことだろう。当初は、英国の建築設計会社ザハ・ハディド・アーキテクトのデザインが採用されたが、予算計上した総工費が約1300億円なのに対し、実際は約3000億円もかかることが発覚した。しかも、2019年のプレオープンとして予定していたラグビーのワールドカップに間に合わない可能性も濃厚となり、メディア等でも大きく取り上げられた。その後、2015年に再入札となり大成建設と建築家の隈研吾氏などのチームによる総工費1490億円、2019年11月末完工予定案が採用され、2016年末に着工した。

日本スポーツ振興センターのWebサイトでは、そのスケジュールと進捗状況が公開されている。2016年末に着工したプロジェクトは、すでに地下工事と地上の躯体工事を終え、現在は屋根、地上、外装、内装、歩行者デッキ工事を進めている。2016年のリオ五輪や2018年開催予定の平昌冬季五輪では、時期が迫っても未完成なシーンがメディアで報道されたが、日本のメインスタジアムの進捗状況は目下のところ順調なようだ。スポーツが大好きな筆者としては日本の建築技術、マネジメントはやはり素晴らしいと感心させられた。

建設業界は業績も株価も好調