センチュリーが21年ぶりにモデルチェンジし、3代目となる新型はハイブリッドシステムを搭載するという。2017年10月27日(金)~11月5日(日)に開催される第45回東京モーターショーで量産モデルが展示される予定だ。販売価格は2000万円からで、最上位グレードのセンチュリーハイブリッドリムジングレードは約6,000万円の見込みだ。

センチュリーといえば、重厚で威厳を感じさせるエクステリアや後席重視のパッケージングで、「運転は運転手が行う」ショーファーカー。先代モデルも部品や組立の多くをハンドメイドで生産、国産乗用車として唯一V型12気筒エンジンを搭載するモデルでもあった。トヨタがセンチュリーまでハイブリッド化するのは時代のすう勢といえそうだ。

V12エンジンは「特別なクルマ」の証

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(画像=TOYOTA Webサイトより)

V型12気筒エンジンは大排気量と多気筒化により高い出力が得られるだけでなく、振動が少ない「理想のエンジンレイアウト」といわれてきた。

その特性からフェラーリやランボルギーニなどのスーパースポーツに多く採用されてきたが、高級車セダンの中でもロールスロイスやメルセデス・マイバッハなど超高級車の世界でもV12エンジンは現役だ。

現在ではV8やV6エンジンでも電子制御やターボの技術などにより高出力化できるが、低~中速域での高い静粛性やスムースな加速性能はV12エンジンにはかなわない。

たとえ性能面でV12に並んだとしても歴史と伝統が重要なファクターである超高級車には、V12エンジンという記号性が大事なのである。

センチュリーは特別で特殊なクルマ

インテリアは外資系ホテルのスイートではなく、控えめだが手の込んだ高級旅館の特別室のような「しつらえ」で、日本のおもてなしを具現化しているという。

センチュリーはその独特なイメージで、官公庁や自治体の公用車や企業の役員用の社用車として後席に乗るVIPの地位や権威を示す役割を担ってきた。

5リッターのV12エンジンは静粛性だけでなく、トラブルがあっても片バンクだけで走行が可能なフェールセーフまで考慮されている。

一方で環境への配慮に欠けるとして、燃費の悪い大排気量車を公用車や社用車に使用することに厳しい視線があるのも事実。センチュリーが独占していた総理大臣専用車はハイブリッドのレクサスLS600hLと併用になり 、生産台数も2代目は初代の1/4程度まで減っている 。

新型センチュリーがV12エンジンを捨て、5リッターV8エンジン+モーターのハイブリッドユニットが搭載されるのも時代の流れであり、伝統あるモデルとして生き残るためにも必然だろう。

超高級車にもエコ化の波が押し寄せる

環境問題は世界のトレンドであり、エコ化を推し進めている高級車はセンチュリーだけではない。

メルセデスベンツではSクラスとマイバッハにV12エンジンをラインアップするが、SクラスにはV6ハイブリッドやPHEVを揃える。

VWグループのベントレーでは 新開発のEVオープンスポーツカーを2019年に発売し、W12エンジン 搭載のコンチネンタルにもPHEVが搭載される予定だ。

トップ・オブ・高級車であるロールス・ロイスは 2011年に最上級モデルのファントムをベースとしたEVコンセプトを発表していたが、その後は音沙汰なし。EVに興味が無いかと思われたが、同じグループのBMW「i」シリーズの技術を利用した電動車両の開発を行うとの発表があった。

世界で1年間に生産されるクルマは約8000万台、そのうちV12エンジンを搭載するクルマは0.1% にも満たない。「数が少ないのだから、環境性能が悪くてもよいだろう」という考え方もあるだろうが、超高級車の世界でも電動化の波からは逃れられそうにない。

EVやFCVという選択肢は無かったのか?

新型センチュリーのハイブリッドユニットは、現行レクサスLS600hLと同じ「THSⅡ」というシステムを採用した。

チューニングはされているだろうが、バッテリーもニッケル水素で最新ではない。トラブルで止まることが許されないショーファーカーだけに、実績のあるユニットを搭載したのだろうがセンチュリーの独自性は薄れた。

トヨタがMIRAIで量産しているFCV(燃料電池車)にすればレクサスLSとのすみ分けができるだけでなく、ヘリテージだけではない先進性もアピールできる。

水素社会を推進する政府の方針もあり、官公庁などの公用車ニーズも取り戻せるはずだ。 新型センチュリーが究極の静粛性を誇るEVやFCVで登場したなら、新世代の高級車になりえたかもしれないと思うと残念でならない。(ZUU online編集部)

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