総選挙というビッグイベントをキッカケに、日経平均株価は16連騰という歴代最長記録を更新した。

そうは言っても、すべての企業が平等に株価を伸ばすわけではないところが株式投資の難しさでもある。取引によっては、せっかくの相場上昇の流れの中でも、マイナスのパフォーマンスを残してしまうことすらあるのだ。ここではそんな本格的な上昇相場の時に思わずやってしまいがちな「損する取引」を幾つかご紹介していきたい。

トレンド変化による株高は大型株が主導

株式取引
(写真=PIXTA)

株式市場には株価のトレンド(大きな流れ)が存在している。「トレンドに逆らうな」という言葉がある通り、大きな流れに逆らって取引をすると投資の世界では勝てないばかりでなく、損失を出してしまうことがある。逆にトレンドに乗って素直に取引をすれば株式投資で利益をあげることはそれほど難しくはない。

相場環境が大きく変化し、新しいトレンドが発生する場合には相場を引っ張っていくのは日経平均株価225種をはじめとした大型株である。大型株は時価総額の大きな銘柄であり、例えばトヨタ自動車 <7203>、ソフトバンク <9984>、野村ホールディングス
<8604> といった企業がこれに当たる。

逆に言えばこのような株式が上昇している途中で「空売り(株価が下がると利益が出る)」を仕掛けてしまうと、手痛い目をみることにもつながることは覚えておくと良い。

業績好調株の利益確定売りにご用心

日経平均株価が横ばい推移をしている最中でも、いわゆる好業績の株式は上値を追って上昇する。中には10倍の株価に膨れ上がるものも散見されるが、そのような株式は将来的な業績拡大を視野に投資家から思惑で買われているものも多い。

特に中小型株にそのような株式は多く、最近の例で言えば化粧品関連株のアイビー化粧品 <4918> や美容品大手のヤーマン <6630> 、いきなりステーキのペッパーフードサービス <3053> などが挙げられる。

これらの株は、相場全体が停滞期にある時には最も狙い目の株式といえるが、相場全体が上昇トレンドに入った時には利益確定の売りが増えることも予想される。特に大口(資金力のある投資家)の利益確定売りがあった場合には、その分下げ幅も大きくなるので用心したい。

個人投資家好みの株式も物色されにくい

個人投資家好みの株式とは外食産業をはじめとした優待株や成長著しい新興市場銘柄である。

大型株相場になるとそれまで順調に推移していた優待をはじめとした個人投資家好みの株式が動きを止めてしまうことがある。日経平均が上げている中、ぴくりとも動かないので「なぜ自分の手持ちの株式は上がらないのか」とヤキモキすることも多いはずだ。

また日経平均株価に比べるとマザーズ指数(新興株)の値動きも鈍いものとなっている。マザーズ上場銘柄もまた個人投資家からは好んで取引される株が多いので、ここでも儲からないのは個人投資家ばかりとなってしまうのだ。

物色される対象が大型株となるので、投資家の資金の移動が始まり銘柄によっては株価を下げてしまうこともあるので注意が必要である。

出遅れ株にみえる○○な銘柄がもっとも危険

上昇相場で最も危険な取引は「悪材料を持つ企業の出遅れ狙い」である。悪材料は業績が悪いという基本的な物から、上場維持に疑義ありという深刻なものまで幅が広い。一つ言えることはそれらの株は相場全体が上がっていてもなぜかあまり上昇しないということである。

大型株主導で株が上がっている時によくありがちなのが、焦って悪材料ありの株式を「出遅れ株」だと思い込んで買ってしまうことである。

このような株式は残念ながら大型・小型など企業規模に関係なく上昇に期待はできない場合が多い。ひどい時にはさらに追加で悪材料を出し、ますます投資家の損切りを誘い、株価が下げ続けることがある。

大局を見失わないよう慎重に

株取引においては今どのような株が買われているのかを見極めることは投資成績に影響を与える。

例えば大型株を主に取引しているのは機関投資家や外国人投資家であるのだが、資金力のあるこれらの投資家が本格的に動き始めると相場も信じられないような動きを見せることがある。もし今後日経平均株価をはじめとした大型株相場が再来するのであれば、素直にその流れにつきたいものである。

谷山歩(たにやま あゆみ)
早稲田大学法学部を卒業後、証券会社にてディーリング業務に従事。Yahoo!ファイナンスにてコラムニストとしても活動。日経BP社の「日本の億万投資家名鑑」などでも掲載されるなど個人投資家としても活動中。個人ブログ「 インカムライフ.com 」。著書に「 超優待投資・草食編 」がある

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