塩漬け株解消法,底値圏,買い方
(写真=PIXTA 記事=株主手帳2016年4月号掲載)

年暮れから大きく下落した相場もようやく底入れ感が出て来ました。ここまでの急落でしっかりと「損切り」が出来たかどうかで利益も違っていたのではないかと思います。損切り出来ずに持越していても、結局は戻ったものも多いのですから、「塩漬け株を楽しむ」と言う投資法でもよかったということになります。

急落相場などがあると、「空売りをしないと儲からない」と言う人もいますが、空売りなどをせずにしっかりと損切りをしながら、買い続けても、あるいは塩漬けを楽しんでも利益を出すことができます。「空売り」で気を付けなければいけないのは、「損失が無限大に広がる」と言うことです。株を買っていた場合には倒産した場合でも「ゼロ」になるだけですが、空売りの場合は「追証」を入れ続けた場合などは損失が無限に拡大してしまうのです。

株価は下げ続ける株価はありませんが、上げ続けて、水準を変えて高止まりとなってしまう株は多く存在します。つまり、買い方さえ間違えなければ「塩漬け」を楽しんで配当やら優待をもらっているうちに買値まで戻ったということは、よくあることです。また、損切りをしっかりとしていれば、塩漬けにもならずに上昇に転じた時に利益を出すことができます。

ただ、空売りをした場合には逆日歩を取られることはあっても、優待も配当もありません。塩漬けとなるとそれこそ、追証の恐怖感だけを味わうということも多いのです。信用取引で買っていなければ、何年でも持ち続けることができますが、信用売り(空売り)の場合は一般的には6カ月と言う期日があり、売り続けることが出来ず、結局は損を出すことになります。

先月号でも述べたようにここまで大きく下げると配当利回りが非常に高く、銀行の定期預金や国債利回りをはるかに超える利回りが得られるのです。株価が下がると損をした気になりますが、「いつか戻るもの」と言うことであれば、塩漬けにして配当や株主優待を当てにしておくということができるのです。

ただ、「含み損」を抱えたままでは「塩漬け」もおいしくはありません。つまり、「おいしい状態で塩漬け」にしておくということなのです。そうは言ってももちろん、株価を底値で買うということはできませんから、「底値圏」で買うということです。底値がわかられば苦労はしないのですから、「底値圏」の範囲を「許容できる範囲」として見るのはどうでしょう。あるいは、損切りラインがはっきりとしているという水準で買うのです。それも、一度だけ全力で買うというのではなく、少しずつ買い足して行くという方法を使えば結果的にも「底値圏で買う」と言うことができるのです。

今回の下げ相場で「底値圏」を検証

具体的に見て行きましょう。チャートは三井住友銀行 <8316> の日足チャートです。実際にどのように取引をして行けば良いのかを検証してみましょう。

三井住友銀行(8316)

あとから見ると「底値圏」はわかるのですが、実際に「底値圏かもしれない」と言うことで買い場を探すということになるのでしょう。例えば、チャートのAやBのところでもその時にあっては「十分に下がった」と言う感覚ですし、「底値圏かもしれない」と言う前提で見てもおかしくはないと思います。

Aの場合はちょっとした押し目、と考えれば底値となってもおかしくはないところですし、Bのところは「移動平均線は割り込んでいるものの、75日移動平均線が横ばいとなりつつある」ところです。ただ、逆にAのところでは75日移動平均線や25日移動平均線を抜けること、そして25日移動平均線が上昇を続けることが前提となっており、抜けなかったこと、Aの陰線の安値を割り込んだこと(↑)で「底値圏でなかった」と言うことになるのです。

Bの場合は75日移動平均線は横ばいですが、25日移動平均線が下降しているところなので、25日移動平均線や75日移動平均線から大きくかい離をするか、上方に抜けてこないと「底値圏」と言う印象にはなりません。実際に保ち合いの上値を切り下げて、安値を割り込んで下落となってしまったのです。

Cも反発が期待されましたが、こうした場合は「V字型」の急反発となるパターンですから、「底値圏」と言う感覚ではなく、「戻りを取る」と言うことになるのでしょう。

Dのところは急落し、25日移動平均線や75日移動平均線から大きくかい離したところで「底値圏」で出現するローソク足(上ヒゲ線)が出現、次の日に陽線で前日の陰線の高値を抜けてきたことで「底入れ感」が出て来るのです。ここで「V字型」の急騰を期待して買い付いても良いと思います。安値を割り込まない限り、底値圏での保ち合いとなるのです。そして、保ち合いを上に放れ、25日移動平均線を抜けると「底値圏」が確認されたことになり、追撃買いのチャンスと言うことになるのです。

この雑誌が発売されるときには答えが出ているので、比べてみてみると良いと思います。このように過去のチャートでシミュレーションをして、実際の取引で生かすことが出来れば、塩漬けになることはないと思います。買うときはあくまでも慎重に買えばいいと思います。

清水洋介 証券経済アナリスト
大学卒業後、大和証券、ソシエテジェネラル証券、マネックス証券を経て投資情報サービス会社「ピクシスリサーチ」を設立(現・アルゴナビス)、「チャートの先生」「投資のプロ」として、講演やセミナー活動等を活発に行なっています。テレビや雑誌などでも投資についての解説、講義なども行なっています。(記事提供= 株主手帳 )

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