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次世代を担うと目されるTMD
最近、中国のネットニュースでは新三巨頭「TMD」という言葉をしばしば目にする。Tは頭条(トウティアオ)のT、Mは美団(メイトゥアン)のM、Dはディディチューシン(滴滴出行))と、それぞれの頭文字からとった呼び名である。
この10年間IT界を主導したBAT(バイドゥ、アリババ、テンセント)に変わって、次代を担うとすればこれらTMDなのだという。
BATの凄さは、その巧みな投資提携戦略にあった。TMDはそれに匹敵する戦略を備えているのだろうか。経済サイト「界面」の特集記事に基づき、3社の投資ビジョンを見ていこう。
(注)中国では、会社の発展段階を天使輪融資、A輪融資、B輪融資、C輪融資などと表現する。C輪という場合、3~4回の大型融資を受けた会社を意味し、D輪以降は上場が視野に入る。最も初期段階の天使輪会社は、融資額300~600万元、企業価値1500~3000万元クラス、A輪会社は、融資額1000~3000万元、企業価値5000万~1億5000万元クラスなどとされる。
T ニュースサイト運営の今日頭条
今日頭条の投資、買収案件は、2015年7件、2016年8件、2017年12件と増加している。2017年を分析すると、自社事業と緊密に関連する分野に資金を投じている。文化娯楽産業への投資が12件中8件だった。年間の総投資額は80億元に近い。(1ドル=6.34元)(1元=16.88日本円※この記事は2018年2月22日に公開した記事を再編集したものです。)
・Musical.ly (上海) /10億ドル 買収
・News Republic(フランス) /8600万ドル 買収
・Flipagram (米国) /5000万ドル 買収
・Live.me (北京) /5000万ドル 買収
・Dailyhunt (インド) /1920万ドル 買収
・快看漫画 (北京) /2億5000万元 融資(C輪、共同)
・新智元 (北京) /数千万元 融資(Pre‐A輪 共同)
・科音短視頻(北京) /数百万元 融資(天使輪 単独)
2017年の投融資のほとんどを費やした「Musical.ly」は、世界最大のクリエイティブプラットフォームとして注目の存在。ミュージックビデオのような魅力的な動画を作り、世界中にシェアできる。欧米やインドにも手を広げ、世界の文化娯楽産業を視野に入れている。