②金融緩和のリフレ効果による金融機関や不動産業への恩恵


金融緩和によるリフレは市中の資金量を増やし、各種金利の引下げ効果を持ちます。そのため、個人の住宅向けのローン金利も下がり、住宅・不動産業界には追い風になると予想されます。また、住宅業界には消費税増税前の駆け込み需要も期待されています。

リフレによる経済全体へのポジティブな波及効果は、銀行などの金融機関にとってもプラスに働きます。
なお国内の事情と少し異なりますが、アメリカでも住宅市場が回復してきており、その関連会社も掲載しました。

(編集注:リフレはデフレ脱却の意味)

参考: QE3(資金供給)とシンガポール不動産

三菱UFJフィナンシャルグループ(8306)

傘下に銀行や証券などをおさめる巨大金融グループです。
特にメインの銀行は、邦銀が他国の大手銀行に比べてバリエーションに割安感があると言われており、今後に期待が持たれています。

三井住友フィナンシャルグループ(8316)

傘下に銀行や証券などをおさめる巨大金融グループです。
邦銀は海外でのシェアも順調に拡大しており、その事によっても注目を集めています。

大和ハウス(1925)

戸建住宅、集合住宅、分譲マンションなどの設計、施工を請負う企業です。また、店舗や事務所、工場、病院などの商業・公共建築を手がけるとともに、不動産業も営んでいます。

積水化学(4204)

ハウスメーカーですが、特にユニット住宅の製造・施工を得意としています。また同社は塩化ビニルやポリエチレン製の配水管および浴室ユニットなど、合成樹脂製品の製造販売のほか、感光性材料や光化学フィルムなど高機能プラスチックの製造販売も取り扱っています。

飯田産業(8880)

飯田産業は注文住宅ではなく、主に戸建分譲住宅や分譲マンションなどの建設販売を行っています。

信越化学(4063)

合成樹脂や化学肥料などの化学品、また半導体シリコンおよび石英などの電子材料の製造および販売企業です。
現在米国でも住宅市場が回復しており、米国で塩ビ樹脂子会社のシンテックを展開しています。

なお、信越化学工業はシェール革命関連でも注目を浴びています。

参考: シェール革命の動向と予測vol3〜注目10銘柄+おまけ〜

クボタ(6326)

農業機械、産業機械、水管の製造、販売会社です。米国にて芝刈り機やトラクターを住宅向けに展開しています。

マキタ(6586)

電池式工具および建築用木工機、空力工具、園芸道具などの電動製品の製造会社です。付属部品やアクセサリーも製造し、部品交換や修理なども行っています。海外は欧州が主力地域ですが、北米でも電動工具を展開しています。

ニトリ(9843)

国内で家具店を展開し高成長を遂げました。2013年秋に米国へ進出予定です。
米国での健闘が期待されていますが、ニトリは海外生産が中心のため円安はマイナスに働く可能性が高く、連結の業績は不安視する声も存在します。

以上、主にアベノミクスの金融緩和によって恩恵を受けるであろう分野や業界、関連銘柄をお届けしました。
次回は、財政政策によって影響を受けるであろう分野や業界、関連銘柄をお届けします。

BY TOMB

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