前回、前々回と連続してシェール革命に関する話題をお届けしています。
まとめや比較を作成していて私自身があらためて感じているのですが、様々な産業の盛衰や、国家間のパワーバランスの変化など、シェール革命が生み出す影響は非常に大きなものがあります。
さて、多くの方にとって特に関心が大きい事の一つは、この巨大な出来事が投資環境にどのように影響するのかということではないでしょうか。
マクロ的な影響は第1回目にて、米国の資源輸入の減少による経常収支の改善とドルに対する上昇圧力発生の可能性について触れさせて頂きました。そこで本日は、国内から手軽に投資できるシェールガスの関連銘柄の情報を整理し、そのまとめをお届けしたいと思います。
参考:
シェール革命の動向と予測vol1〜主要各国への影響を比較してみた〜
シェール革命の動向と予測vol2〜影響を受ける産業って?〜
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◉シェールガスに関連のある国内銘柄
*( )内は証券コード
◯権益・開発など
①
住友商事
(8053)
住友商事はもともと国内商社の中では、上流開拓に出遅れていたと言われています。しかし、2009年に、日本の商社で初めてシェール権益を獲得し、2012年にも米デュボンから権益を獲得しています。
②
三井物産
( 8031)
三井物産は2000年代半ばにシェール革命に目を付けており、研究を重ねた後、2010年に14億ドルという規模で参入しました。今後も合計で最大79億ドルの開発を予定しています。
③
三菱商事
(8058)
三菱商事も大規模であり、カナダでの開発分も含めると最大で8650億円程の開発を予定しています。また、ただの上流だけではなく、LNG(液化天然ガス)化と北米外への輸出にも力を入れる予定のようです。
◯掘削技術関連
④
クレハ
(4023)
クレハは、シェールの掘削に使われるポリグリコール酸という樹脂の量産を世界で初めて開始した企業です。数ヶ月後に土中で分解されることから、掘削後に取り出す必要が無いという利点を活かして、現在はシェールの掘削用の機材の部品に使われています。
⑤
太陽日酸
(4091)
太陽日酸は窒素など、産業ガスの大手です。窒素などは、シェールの掘削時に用いられる事が多く、太陽日酸も業績の拡大が期待されています。
◯プラント・エンジニアリング
⑥
日揮
( 1963)
米国がシェールガスの海外輸出に大量に乗り出そうとする場合、LNG(液化天然ガス)化用のプラントが求められます。日揮はLNG化プラントの分野で世界でもトップクラスの実績があり、プラント受注の可能性が高いと言われています。
⑦
三菱重工業
(7011)
国内最大手の複合重機メーカーです。ガスタービンメーカーでもあるため、安価になったシェールガスを用いた火力発電の拡大により業績の向上が期待されています。
◯輸送
⑧
日本郵船
(9101)
LNGの輸送は海運が基本となるため、海運会社にもチャンスが来ていると言われています。日本郵船の場合、まだ決定ではないようですが、このままシェール革命の流れが続くようなら現状66隻のLNG船を、100隻以上にまで増やしたいと望んでいるようです。
◯化学・素材
⑨
信越化学工業
(4063)
世界シェア首位の半導体用シリコン等を扱う、日本屈指の化学メーカーです。シェール革命により、原材料を安価に調達できる可能性が高まり業績の向上が期待されています。
⑩
東レ
( 3402)
東レが手がける炭素繊維の需要も伸びそうだと言われています。炭素繊維はガスタンク等の圧力容器等に利用され、米国で現在貯蔵用や運搬用のガスタンクの需要が伸びているからです。
参考:各雑誌2013年予測特集の要点まとめ【主要産業編】