中国の医療・健康産業の現状は
中国国務院が2016年10月に発表した「健康中国2030計画綱要」では、健康サービス業の市場規模を、2020年に8兆元、2030年には16兆元と予想した。その進行状況、投資の趨勢について、ネットメディアの今日頭条が伝えた。
中国の医療は、傍目には規制に縛られ、現場は混乱しているようにしか見えない。この先、一体どこへ向かっていくのだろうか(1元=16.86日本円※この記事は、2018年3月30日に公開したものを再編集したものです。)。
50年前の米国の状況に酷似?
2017年の医療、健康産業の推移を見てみよう。民間研究機関の「清科研究中心」によると、市場規模拡大の一方、大量の政策が発動され、医療・健康産業は改革指向をベースとする変質を遂げた。有力な医療・健康産業投資信託のあるファンドマネージャーは、製薬、薬品流通、医療機械、医療サービスなどあらゆるところに投資のチャンスがあると述べている。
そして、これは50年前の米国と比較できるという。米国のメディケア、メディケイドなどの医療保険支出は、1965年の420億ドルから、2008年には2兆3400億ドルと60倍に増加、GDP比では5%から15%に上昇した。大量の病院管理機構や、医療サービスが登場するのは1970年代である。中国の2017年は米国のこの時代の状況によく似ているというのである。
この通りだとすれは、中国の現状は米国から50年遅れているということになるが、裏を返せば、中国の医療、健康産業には、とんでもない投資空間が拡がっているという意味になる。