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衰えを見せぬ中国人の投資意欲
2020年には東京オリンピック・パラリンピックが開催され、大阪では2025年の万博開催が決まった。また、カジノを含むIR(統合型リゾート)の誘致構想も各地にある。不動産業にとっては追い風の状況だといっていいだろう。事実、2017年頃から、日本の不動産価格は上昇している。そして、中国国内から日本への不動産投資へシフトする中国人は増加する一方だ。日本投資の魅力は、中国側の事情にも依っている。
「今日頭条」「網易房産」などのメディアから最近の中国人の不動産投資の傾向を探ってみよう。
日本不動産投資の魅力
中国人投資家は、日本不動産のどこに魅力を感じているのだろうか。中国メディアによると大きく4つの点が挙げられる。
(1)不動産投資の利回りが高い
中国の家賃収入利回りは2~3%しか見込めない。それに対して日本では10%前後まで期待できる。当然資金の回転率はまったく違う。
(2)投資のリスクは小さい
日本市場は成熟しているため、安定したリターンを見込める。人口密度が高く、消費も集中している都市では、入居率90%以上も望める。そしてインフレの影響も考えなくてよい。売買価格は相場の変動を受けても、賃貸は安定した収益を確保できるのだ。日本の法律とそれに基づく監督体制は、スキのない緻密なものだ。契約では買入から売却まで、すべての過程で、投資者の合法的権利を保護してくれる。
(3)永久性
日本で家屋の所有権も土地の所有権も、完全に個人に属している。所有権は永久的であり、購入後の増改築も自由だ。子供への相続も可能であり、改装や貸出しも簡単だ。使用権(70年)のみで所有権のない中国との最大の違いである。
(4)購入後の心配がない
購入後に居住しない場合でも、何ら心配することはない。不動産管理会社に任せておけばよい。日々のきめ細かいメンテナンスによって、物件は美しいままに保たれる。望めば入居者を探してくれる。それに何より優れた点は、手続きが簡単なことである。購入者の資産調査(不当利得かどうか)などはない。痛くもない腹を探られることはないのである。 ただし、これはマネーロンダリングにも使えるということも意味する。