-経費のコントロールが鍵-
しまむらが2日に発表した2018年2月期の決算は売上高が前期比0.1%減の5651億円、営業利益が同12.1%減の429億円と減収減益となりました。売上高は商品を絞り込みすぎたことや、売り場をダイナミックに変えすぎたことなどで主力のしまむら業態の既存店売上高が3%減となったことなどから中間決算で下方修正した計画をさらに280億円近く下回り9期ぶりの減収となりました。
営業利益も下方修正した計画をさらに83億円下回り3期ぶりの減収となりました。粗利益率は若者向けファッションのアベイル業態と雑貨やファッションのシャンプル業態で不良在庫を一掃したことにより0.3ポイント改善しています。しかし、販管費を計画から24億円近く圧縮したものの、売上高が計画を下回ったことで販管費比率が1.3ポイントも悪化し営業利益は二桁の減益となりました。
今期の計画は売上高が前期比4.0%増の5875億円、営業利益が同18.9%増の510億円で、営業利益は最高益を更新する見込みとなっています。一桁台前半の伸びの売上高に対して2割近い営業増益予想と営業利益の伸びが大きくみえるように、今期は増収よりも経費抑制に頼った増益計画となっています。そのためトップラインの動向をみながら経費を的確にコントロールできるかが高い伸びの増益計画を達成できるかどうかの鍵となりそうです。
金山敏之(かなやま・としゆき)
マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト
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