東京株式市場は2018年4~6月期の決算発表シーズンを迎えます。7/25(水)にはファナック <6954> および日本電産 <6594> の発表が予定されていますが、その週末である7/27(金)には200社弱が発表を予定しており、一気に佳境を迎えます。

そこで「日本株投資戦略」では、同四半期の決算発表を控え、業績の上振れや業績予想の上方修正が期待できる銘柄を抽出すべく、スクリーニングを行ってみました。前回の「日本株投資戦略」では3月決算銘柄を分析対象にしましたが、今回は6月、9月、12月を決算期末とする銘柄を分析対象にしました。

決算発表シーズンが本格的に開始へ

日本株投資戦略,業績予想,上方修正
(画像=PIXTA)

東京株式市場は一時に比べ、落ち着きを取り戻したように見受けられます。日経平均株価は6/12(火)の高値23,011円57銭から、7/5(木)の安値21,462円95銭まで6.7%下落しましたが、その後は反発に転じ、7/18(水)には一時22,949円32銭の高値を付けました。しかし、6/12(火)の高値を回復することはできず、再び反落に転じてしまいました。米国と中国・欧州等との貿易摩擦問題がくすぶり続けており、依然として株式市場の不安定要因となっています。

こうした中、東京株式市場は2018年4~6月期の決算発表シーズンを迎えます。7/25(水)にはファナック <6954> および日本電産 <6594> の発表が予定されていますが、その週末である7/27(金)には200社弱が発表を予定しており、一気に佳境を迎えます。

そこで「日本株投資戦略」では、同四半期の決算発表本格化を控え、業績の上振れや業績予想の上方修正が期待できる銘柄を抽出すべく、スクリーニングを行ってみました。前回の「日本株投資戦略」では3月決算銘柄を分析対象にしましたが、今回は6月、9月、12月を決算期末とする銘柄を分析対象にしました。

東証1部銘柄の7割を占める3月決算銘柄にとり、「4~6月期」は、「第1四半期」であり、年間における最初の4分の1に相当する期間に過ぎません。このため、仮に同四半期で業績が良くても、年間(通期)の業績予想上方修正に至らないケースの方が多いと考えられます。

これに対し、同四半期は12月決算企業の「第2四半期」、9月決算企業の「第3四半期」であり、ここで業績が良ければ、年間(通期)の業績予想上方修正につながるケースは少なくありません。また、6月決算企業にとっては「第4四半期」であり、ここで会社予想を上回る業績を上げられれば「計画クリア」となり、株式市場で高い評価を受ける可能性が広がります。

日本株投資戦略,業績予想,上方修正
(画像=SBI証券)

表1:主力企業の2018年4~6月期決算発表予定日(例)

コード / 銘柄名 / 発表予定決算期

7/25(水)
6594 / 日本電産 / 19/3期第1四半期
4063 / 信越化学工業 / 19/3期第1四半期
6954 / ファナック / 19/3期第1四半期

7/26(木)
7201 / 日産自動車 / 19/3期第1四半期
7751 / キヤノン / 18/12期第2四半期
4452 / 花王 / 18/12期第2四半期

7/27(金)
9022 / 東海旅客鉄道 / 19/3期第1四半期
9020 / 東日本旅客鉄道 / 19/3期第1四半期
6501 / 日立製作所 / 19/3期第1四半期

7/30(月)
8316 / 三井住友フィナンシャルグループ / 19/3期第1四半期
4661 / オリエンタルランド / 19/3期第1四半期

7/31(火)
6758 / ソニー / 19/3期第1四半期
7267 / 本田技研工業 / 19/3期第1四半期
7974 / 任天堂 / 19/3期第1四半期
8411 / みずほフィナンシャルグループ / 19/3期第1四半期
6981 / 村田製作所 / 19/3期第1四半期
6902 / デンソー / 19/3期第1四半期
4502 / 武田薬品工業 / 19/3期第1四半期

8/1(水)
9433 / KDDI / 19/3期第1四半期
6861 / キーエンス / 19/3期第1四半期
2914 / 日本たばこ産業 / 18/12期第2四半期

8/2(木)
9437 / NTTドコモ / 19/3期第1四半期
8306 / 三菱UFJフィナンシャル・グループ / 19/3期第1四半期
8058 / 三菱商事 / 19/3期第1四半期

8/3(金)
7203 / トヨタ自動車 / 19/3期第1四半期

8/7(火)
9432 / 日本電信電話 / 19/3期第1四半期
6367 / ダイキン工業 / 19/3期第1四半期

8月上旬
9984 / ソフトバンクグループ / 19/3期第1四半期

8/10(金)
7182 / ゆうちょ銀行 / 19/3期第1四半期
6178 / 日本郵政 / 19/3期第1四半期
6098 / リクルートホールディングス / 19/3期第1四半期
8766 / 東京海上ホールディングス / 19/3期第1四半期

※Blooomberg、各種報道等をもとにSBI証券が作成。決算発表予定日は予告なく変更される場合もあります。

業績予想「上方修正」も期待できる10銘柄はコレ!?

前項でご説明した通り、「日本株投資戦略」では、業績の上振れや業績予想の上方修正が期待できる銘柄を抽出すべくスクリーニングを行ってみました。その条件は以下の通りです。

(1)東証1部上場銘柄であること
(2)時価総額が500億円超の銘柄であること
(3)決算期末が6月、9月、12月のいずれかになっていること
(4)四半期(累計)営業増益率(前年同期比)が通期会社予想営業増益率を10%超(注1)上回っていること
(5)四半期(累計)営業利益の進捗率が、その四半期に相当する水準(注2)以上であること
(6)7/5(木)(日経平均株価が当面の安値を示現)からの株価上昇率が10%未満にとどまっていること

(注1)通期予想営業増益率が例えば10%の場合、四半期(累計)営業増益率(前年同期比)は20%超 (注2)12月決算銘柄は25%、9月決算銘柄は50%、6月決算銘柄は75%

表1は、上記の全条件を満たす銘柄について、(4)の四半期(累計)営業増益率(前年同期比)が大きい順番に10銘柄並べたものです。なお、会計方針に変更のある銘柄や、決算発表の終了した銘柄は除いています。

日本株投資戦略,業績予想,上方修正
(画像=SBI証券)

表2:業績予想「上方修正」も期待できる10銘柄はコレ!?

コード / 銘柄名 / 株価(7/20) / 株価騰落率(7/5~7/20) / 決算発表予定日 / 四半期累計営業増益率 / 今期会社予想営業増益率
<5310> / 東洋炭素 / 3,105 / 1.8% / 8/7(火) / 455.1% / 75.3%
<8804> / 東京建物 / 1,456 / -1.8% / 8/2(木) / 250.2% / 0.5%
<4911> / 資生堂 / 8,358 / 2.4% / 8/8(水) / 95.4% / 11.9%
<2491> / バリューコマース / 1,738 / -2.5% / 7/25(水) / 71.0% / 10.2%
<4912> / ライオン / 1,982 / 2.1% / 8/3(金) / 69.5% / 8.3%
<3097> / 物語コーポレーション(6) / 9,830 / -1.9% / 8/10(金) / 58.1% / 25.3%
<9543> / 静岡ガス / 1,046 / 1.9% / 8/8(水) / 50.1% / -25.2%
<6856> / 堀場製作所 / 7,500 / 0.0% / 8/3(金) / 48.7% / 26.7%
<6277> / ホソカワミクロン(9) / 6,870 / 9.6% / 8/9(木) / 44.4% / 5.1%
<3632> / グリー(6) / 614 / 7.5% / 8/2(木) / 39.8% / 25.0%

※Bloombergデータ、会社公表データをもとにSBI証券が作成。銘柄名の末尾のカッコは決算期末。カッコのない銘柄は12月決算銘柄

※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

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鈴木英之
SBI証券 投資調査部

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