(本記事は、新井直之氏の著書『執事が目にした!大富豪がお金を生み出す時間術』青春出版社、2018年2月20日刊の中から一部を抜粋・編集しています)

カジノに行く意外な理由

大富豪といえば、「カジノで豪遊」というイメージを持たれている方も多いのではないでしょうか?

たしかにギャンブルを好まれる大富豪の方はたくさんいらっしゃいます。

ただし、嗜まれるのはご自分の理論や推測、記憶が介在する余地のあるギャンブルです。

代表的なものは、マカオやラスベガスのカジノでのルーレット、ポーカーなど。ディーラーや他のお客様との駆け引きを楽しみ、場の流れを読むことで、実業での状況判断のトレーニングとされているようです。

私のお客様にも、カジノから多額の掛け金で勝負する「ハイローラー」の方々向けの招待状が届くことがございます。交通費も滞在費もカジノ持ちという、庶民感覚からすると夢のようなエンターテイメントです。

しかし、参加されるみなさまは厳しい研修旅行のような面持ちです。

というのも、ハイローラー向けの部屋に集まるVIPは起業家からアラブの王族まで多士済々。

そうした方々は、賭けを通じて、ビジネスの現場でもここぞという場面で大金を投じられるか、潔く引くことができるかを訓練されているようでした。

読みが外れて大金を失ったとき、金額よりも、自分の読みが外れたことを反省している様子が印象的でした。また、それぞれの本性が出る場だけに、そこでの出会いがビジネスにつながることも珍しくありません。

大富豪の方々にとって、ギャンブルの時間というのは娯楽の時間なのではなく、ビジネスの投資勘を磨く修練の場。

感情や欲望をコントロールし、負けた際の引き際を学ぶ貴重な時間なのです。

メンタルコントロール、その驚きの共通点は?

お金を生み出す時間術
(画像=ATeam/Shutterstock.com)

大金を動かし、次々に決断を迫られる――。

その重圧やプレッシャーは相当のものだと思われます。しかし、ビジネスの世界で成功された大富豪の方々は、基本的にあまり感情的にならず、平常心を保たれているように見えます。

時間は限られているとわかっていても、本当にこれでいいのだろうかと最後まで迷ってしまうものです。また、決断してからも迷い続けることすらあります。

いったい大富豪のみなさまは、どのようにメンタルをコントロールしているのだろうかと観察してきました。

その結果、ある2つの共通点が見えてまいりました。

1つ目は反省をされないことです。

一般的な感覚では、人の意見を聞き、反省することが美徳だと考えます。ところが大富豪のみなさまどちらもあまりされません。

例えば、ある新規プロジェクトの失敗を受け、部下から「総括をかねて、反省会をしましょう」と言われている現場に立ち会ったことがあります。

そのとき、オーナーである大富豪は「そんなことはしなくていい!」とお怒りになっていました。

「成功するためにやってはいけないことがわかったのだから、反省会ではなく、次へつなげる未来の会へ名前を変えろ」と。そう指示されたのです。

2つ目の共通点は批判的な意見を述べる人を遠ざけることです。

大富豪の周囲は、いわゆるイエスマンで固められています。これもまた一般的に良くないこととされていますが、大富豪は自分の考えをポジティブに保ち、前へ進む意欲を持ち続けるため、あえてイエスマンを重用なさるのです。

「この事業をどう思う?」とアイデアを明かすとき、少しは不安な気持ちを抱えています。そこで、「いいですね!」「いけると思います!」と答えてくれる人が身近にいることで、リスクを取ったチャレンジに踏み出せるわけです。

本来はうまくいくことも、精神状態が不安定ではうまくいかないことがあります。

時間の使い方の良し悪しは、そのときのメンタルがどういう状態かによって左右されるということを大富豪の方はよくご存じなのです。

大富豪の辞書にない言葉は何か?

お金を生み出す仕組みづくりが得意な大富豪の方々ですが、ビジネスをすべて成功されているわけではありません。私がお仕えしている感じでは、9割ほどは失敗されているように感じます。

それでも大富豪としての財産をお守りすることができるのは、失敗の仕方がとてもお上手だからです。

というのも大富豪の方々は、はたから見て失敗のようなことも、失敗とは捉えていません。大富豪の辞書に「失敗」の言葉はないからです。

そのかわり、「成功しない方法を見つけた」と捉えるのです。

そして、「避けるべき方法が見つかり、いろいろな学びを得られた。これで成功の可能性がさらに高まった」、このようにお考えになるのです。

どこまでも、気持ちを前向きに整えているのは、よく聞く言葉からもわかります。

ある時、スピード違反で停められた大富豪は、「ツイているな。事故を起こさないように停めてくれたんだ」とポツリ。

悪いように思えることも「○○でハッピー」「ツイてる」などと、言葉に出していらっしゃいます。

大富豪の方はネガティブな物事の考え方を時間のムダだとお考えになります。

失敗は次の成功、もしくはいくつかの失敗を肥やしにして最終的に成功して取り戻せばいいだけですし、一度や二度の失敗で頭を抱えていたり、失敗のたびにモチベーションを立て直すことは何も生み出さないとお考えになるからです。

また、小さな失敗で前進することをやめてしまったら、その先の莫大な利益を逃してしまう可能性もございます。

どこで成功に転じるかわかりません。それこそ、死んだあと評価されるようなことだってあるわけです。

人生において、未来につながらない取り返しのつかないこと。そのようなことが、大富豪の方にとっての「失敗」なのです。

失敗とはこうやるとうまくいかないという教材であり、成功につながるきっかけ。

反省ではなく未来に生かすための判断材料として受け止める習慣は、どんなトライも有意義な時間として過ごすことへつながるのです。

お金を生み出す時間術
新井直之(あらいなおゆき)
日本バトラー&コンシェルジュ株式会社代表取締役社長。フォーブス誌世界大富豪ランキングトップ10に入る大富豪、日本国内外の超富裕層を顧客に持つ同社の代表を務める傍ら、企業向けに富裕層ビジネス、顧客満足度向上、ホスピタリティに関する講演、研修、コンサルティング業務を行なっている。『執事だけが知っている世界の大富豪58の習慣』(幻冬舎)など著書多数。著書は海外でも翻訳出版され、累計発行部数は30万部を超える。(画像=Webサイトより ※クリックするとAmazonに飛びます)