(本記事は、新井直之氏の著書『執事が目にした!大富豪がお金を生み出す時間術』青春出版社、2018年2月20日刊の中から一部を抜粋・編集しています)
飲み水を16°Cに指定するのはなぜ?
大富豪の方々は、できるだけ長く人生を楽しみたいと考えていらっしゃいます。
そのためにも必要となってくるのが、資産を減らさない知恵を生み出す頭と健康な体です。
特に健康については造詣が深く、最新の情報を取り寄せ、検証し、実践されている方がほとんどです。
中でも人間の体は70%が水分ともいわれているため、お水にこだわる方々が多いです。水道水ではなく、ミネラルウォーターをお飲みになることは、いまや珍しいことではなくなりました。ご自宅にウォーターサーバーをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
とある大富豪の方はもっと徹底しております。
ハワイコナ沖の海洋深層水を成分調整し、毎日空輸なさっているのです。私どもはそれを、16.5度にしてお出ししています。ちょうどお飲みになるタイミングで適温になるように、夏や冬では準備する時間にも気を遣います。
また、このお水をつかったお風呂はトロっとした感触で、まるで温泉のよう。肌あたりもやさしいそうです。
もちろんこれだけ手間暇かけたお水。私もついお値段を伺い、驚きました。
なんとコップ1杯約6万円!
一般的な感覚からすると、成金趣味のような感じさえするかもしれません。
しかし、どのようなものを取り入れることが自分のコンディションをベストな状態へと導いてくれるのか?
それを知り、実践することは巡り巡って、自分の成果へとつながるのです。
朝食のメニュー以上に気にしていること
みなさまは朝食にこだわりをお持ちですか?
朝は時間がないから、食べない、もしくは食べられるものをパパッと召しあがるという方も多いと思います。
大富豪の方は会食やパーティーが多いため、朝食など、1人での食事では軽めの物を召し上がる方がほとんど。たまごかけごはん、サラダ、フルーツ、ジュースなどが定番の朝食です。
一見、ごくふつうの朝食のようですが、産地や調理法には特にこだわられます。
例えば、お米やたまごは契約農家から直送。さらに常駐のシェフがお米を一粒一粒分類し、大きさをそろえます。米粒を均等にすると、炊き上がりが全然違うそうです。そこに1個1000円のたまごを落とす。
メニューとしてはシンプルなものでも、シンプルだからこそ、素材の良し悪しもよくわかり、ごまかしがききません。
ほかにも、マンゴーは宮崎産、鯖は大分県豊後水道の佐賀県産など、産地を特定いたします。同じ食材でも産地が違うと別ものだとお考えになるのです。
これは、食が体をつくるという基本を大切になさっているから、素材がみえる食材や調理法を好まれるのです。
忙しいとつい、高機能栄養食品やインスタント食品に手が伸びてしまいます。しかし、手軽さと引き換えに体はダメージを受けているかもしれません。
たとえ1人の食事であっても蔑にせず、むしろ体のためにこだわりをもつことは、将来の健康リスクを回避し、治療などに時間を取られることを防ぐことへとつながります。
高級食材を日常的に召しあがることが難しくても、大富豪のみなさまがお持ちになっている、「充実した時間は健康な体が引き寄せる」という意識は、私たちでも取り入れられる習慣でございます。
食事の時間はどうやって決めている?
あるとき、大富豪の方のフライトに同行いたしました。ビジネスクラスやエコノミークラスが決まった時間に食事が配られるのに対し、ファーストクラスは好きな時間に食事をとることができます。そして他のお客さまもその時間はまちまちなのです。
食事の内容に対しては並々ならぬこだわりをお持ちの大富豪ですが、時間に関してはむしろ規則正しく毎日3回、という方はあまりいらっしゃいません。
会食ということがなければ、1日に一度だったというときもあれば、4、5回という場合もございます。
時間を大切にする彼らですから、世間一般の自分に合わない時間のルールに縛られず、自分で時間の使い方を決められています。お腹が空かなければ食事をしないし、つまらない間食でお腹を満たすくらいなら、食べないという選択をなさいます。
ご自身が満足しない食事というのは取るべき時間ではないと考えていらっしゃるのかもしれません。それならば本当に空腹で我慢できなくなるまで、仕事に没頭するほうが有意義だと考えるのでしょう。
実際に、間食に甘いものなどを召し上がっているところを、見かけたことはございません。
それは高級レストランでの食事中でも同じです。一口、二口食べて、自分の口に合わないと思えば、食事をやめます。
私から見れば、目の前の高級料理を残すのはとてももったいなく感じますが、彼らにとって、自分に合わないものでお腹を満たすことのほうがずっともったいないことなのです。
大富豪は限りある時間を大切にするように、限りある食事の時間も大切になさいます。
人生を有意義なものにするためにも、ムダな一食は取らないというのが本当の贅沢というものなのかもしれません。