高校生

投資信託の商品選びはどうやるの?

ひな:しんた君…。

しんた:ちょっと元気ない感じだけど、どうかしたの?

ひな:ポイントで投資信託、買ったのはいいんだけど、基準価額が全然動かなくって。1万円程度の基準価額が3円プラス、とか、2円マイナス、とか。何とかならないの?

しんた:そんなの、投資は自己責任だから……。

ひな:しんた君、私のアドバイザーでしょ?

しんた:え? そうだったの?

ひな:いいから、早く! なんかいい手はないの?

しんた:うーん。値動きが安定的なのは長期投資にはいいことなんだけどなぁ。ひなちゃん、下がったら、うるさそうだし…。

ひな:わかった。ポイントで買った分だし、もともとは純粋に自分のお金、ってわけじゃないから、ポイントで買った分は、下がっても文句言わない。半分だけやってもいいし。

しんた:他に、値動きが良さそうなファンドを探してみようよ。

ひな:ちょうど探していたところだったの。

ランキングで商品を選ぶのはキケン?

ひな:よく見るのは「ランキング」。みんなが選んでいる「ランキング」って良さそうだよね!

しんた:ひなちゃん、それはちょっと…。

ひな:あ、「みんな買っているならオレは違うものを」的な?

しんた:そんなキャラにしないでよ! 「ランキング」は慎重に見てってこと。

ひな:ランキング1位のファンドを買おうと思ったのに。

しんた:もうちょっと考えたほうがいいと思うな~。ここでクイズ!「買う」or「買わない」どっちでしょう~!

クイズ1:現在のランキング1位に、「アメリカ株のAファンド」があります。理由は、アメリカが新たな減税を発表したことで、前回はランク外だったのが、1位に躍り出ました。ひなちゃん、買う?

ひな:「買う!」。減税になったってことは、アメリカ企業の利益が出やすいってことでしょ。

しんた:ぼくもそう思う。株価も上がりそうだよね。だから、アメリカ株のAファンドにも資金が入りやすい。あとね、「ファンド価格の下支え効果」もあるんだって。

ひな:ん? 「ファンド価格の下支え」?

しんた:相場が下落しているときも、アメリカは堅調だから、このAファンドは、あまり売られにくい。

ひな:つまり、みんな下落しているときにも下がりにくいから、「下支え効果」なんだね。ランキング1位でも、まだ「買う」タイミングなんだ。

しんた:父ちゃんが言っていたことなんだけどね(笑)それでは、クイズ2、行きます!

ひな:「買わない!」

しんた:え?ひなちゃん、まだ問題が…。

ひな:たぶん次は、ランキング上位の流行のAiとかのファンドで、流行って基準価額が値上がり中。でも流行りも落ち着いてきて、ファンド価格の下支えどころか、上値が重たくなる可能性が高い、って解説で来るんじゃない?

しんた:……。ま、まるごとそのとおりなんですが……。

ひな:女の直感(笑)

しんた:だからね、投資信託を買う・売るときは、中に組み込まれている銘柄が上がりそう・下がりそうを判断するとともに、ファンド全体に「今後資金が流入する・流出する」可能性を加味すると、良さそうな気がしない?

ひな:良さそうな気がする! これで、ランキングをうのみにしない!

しんた:ひなちゃん、今日もレベルUPしたね!

覆面ファンドマネージャー
楽天証券 投資運用室
大手銀行で運用業務やファンド選定業務などのマーケット関連業務に約20年携わり、投資業務や運用業務などを行ってきた。現在は、楽天証券の「楽ラップ」などの投資・運用業務に従事している。

(提供=トウシル

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