40代から始める人生戦略
ガムシャラに働いても報われない。かといって、今の仕事は辞められない──。そんな二進も三進もいかない40代の悩みを一刀両断するのは、新著『定年まで待つな! 一生稼げる逆転のキャリア戦略』 (PHPビジネス新書) を上梓した成毛眞氏。今回は、会社を辞めたくても辞められないビジネスマンに向けて、アドバイスをいただいた。40代は、どう仕事と向き合い、今後どう生きていけばいいのだろうか。
勝算の低い勝負に人生を賭けていないか?
日々、会社の仕事に追われるだけの40代は、近い将来ゆとり世代に駆逐される。路頭に迷わないためには、「会社を辞める」選択肢をとるべきだ――。前回は、そのようなお話をしました。
しかし、やり方次第では、「会社を辞めない」選択をしても、明るい未来を切り拓くことは可能です。今回は、その方法についてお話ししましょう。
40代になると、今の会社で出世できるかどうか、ある程度先が見えてきます。本誌の読者は、仕事と真摯に向き合ってきた人が多いでしょうから、順調に出世している人もいるかもしれません。ただ、仮に順調だとしても、会社で出世するために自分の人生を会社に捧げるようなことはやめたほうがいいでしょう。リスクが高すぎます。
大企業で働いている人は、役員クラスに登りつめれば将来は安泰ですが、なれる確率はどのぐらいあるのか。社長に至っては5年に1人ぐらいしか出ませんから、毎年300名が入社する会社で、自分が入社した前後5年間の社員から選ばれるとしても、確率は1500分の1。役員なら2年に1人ぐらいは出ると思いますが、それでも600分の1。宝くじで3000円が当たるよりも低い確率です。冷静に計算すると、予想以上に可能性が低いことに気づくでしょう。
さらに、部長レベルでとどまっていたら、55歳前後に行なわれる役職定年によって地位を失い、給料も減ります。このとき、リストラにあっても不思議ではありません。それまで、さまざまなことを犠牲にしてまで会社に尽くしてきたのに、こんな末路をたどるのは浮かばれないでしょう。